Skip to main content

ヤンセン・ファーマスーティカ創始者、ポール・ヤンセン博士の逝去について

公開日: 
2003/11/13

 米国ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の医療用医薬品日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(東京都品川区東五反田3-1-5:社長、関口 康)は、同社創業の父であり、ベルギー、ヤンセン・ファーマスーティカ社の創設者で、現名誉会長でもある、ポール・ヤンセン博士(Dr. Paul Janssen)が、11日、訪問先のローマで急逝しましたことをお知らせ致します。死因は心臓発作、享年77歳でした。

ポール・ヤンセン博士は1953年に医薬品の研究開発を目的にヤンセン・ファーマスーティカ社を設立、博士とその研究チームは今日までに10万以上の新規化合物を合成し、その中から84をこえる新薬を世の中に送り出しました。その領域は麻酔・疼痛管理、精神医学、真菌学、消化器学をはじめとする幅広い分野にわたり、この中から、WHO(世界保健機構)が選定する「必須医薬品」に5品目が選ばれるなど、医薬品研究の巨人として、卓越した業績を残しています。

博士の所有する特許は100以上にのぼり、更に、世界各国から22の名誉博士号を授与され、80を超える医学賞を受賞、30を超える科学機関や組織の名誉会員ともなっています。

1961年以降、ヤンセン・ファーマスーティカは世界最大級の総合ヘルスケア企業、ジョンソン・エンド・ジョンソンの傘下に入り、ヤンセンの医薬品は、世界中の医療現場で使用されています。

本邦においては、1978年に米ジョンソン・エンド・ジョンソンと協和発酵工業株式会社の合弁会社として設立されたヤンセン協和(現、ヤンセンファーマ)の名誉会長に就任、1987年には北里研究所の名誉所員に推挙されたほか、1991年には日本の医療現場に数多くの医薬品を導入した功績により、勲三等旭日中綬章を受章しています。

近年は、ビジネスの第一線から退きながらも、分子設計センターの顧問として、HIV/AIDSのためのより効果的な治療の開発にその知力と人道主義的精神を傾けるなど、その最期の時まで、病気に苦しむ人々のために新薬を探すことに積極的に関与し続けました。

  
【ポール・ヤンセン博士経歴】 
1926年生まれ
1949年 カトリック・ルーヴェン大学医学部卒
1951年 ゲント大学医学部博士号取得
1953年 ヤンセン・ファーマスーティカ設立
1961年 ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下入り
1980年~'82年 国際神経精神薬理学会会長
1987年 ヤンセン・リサーチ・ファウンデーション会長
      北里研究所名誉所員
1991年 勳三等旭日中綬賞を受章 
 
【ヤンセン・ファーマスーティカ社概要】 
1953年、ポール・ヤンセン博士が医薬品の創製を目的として設立。1961年に世界最大の総合ヘルスケア企業、J&Jグループへの参加を機に、事業の国際化が大きく進展する。抗精神病剤リスペリドン、ハロペリドール、抗真菌剤イトラコナゾール、麻酔用鎮痛剤フェンタニルなど、これまでに100,000以上の新規化合物を合成、その中から84品目以上の新薬を生み出すなど、世界有数の研究開発力を誇る。本社、ベルギー国ベルセ市。従業員数3,700名。売上等は非公表。