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ジョンソン・エンド・ジョンソン、 シエラレオネでのエボラワクチンの臨床試験開始を発表

2015/10/30

-ヤンセンのプライムブーストワクチン、エボラ出血熱発生国での初めての臨床試験

ワクチン開発計画加速の一環として、米国、欧州、アフリカ各地で進行中の複数の第I相および第II相試験と並行して臨床試験を開始

ジョンソン・エンド・ジョンソン、エボラ出血熱への取り組み拡大を発表後わずか1年でマイルストーンに到達-

 

* 当資料は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが2015年10月9日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳(要約)したものを、参考資料として発表させていただくものです。従いまして、必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。また、正式言語が英語であるため、内容につきましては英文リリースが優先されます。

英文サイト:https://www.jnj.com/news/all/Johnson-Johnson-Announces-Start-of-Clinical...

 

米国ニュージャージー州ニューブランズウィック(2015年10月9日):ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)は本日、医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカル(以下、ヤンセン)が開発中のエボラ出血熱予防ワクチンの安全性および免疫原性を評価するシエラレオネでの臨床試験の開始を発表しました。現在被験者の登録が進行中で、最初の被験者に対する初回のワクチンが投与されました。最近のエボラ出血熱流行の影響を受けている西アフリカの一国において、ヤンセンのエボラ出血熱に対するプライムブーストワクチンの臨床試験が実施されるのは今回が初めてとなります。

この新しい臨床試験、EBOVAC-Saloneはシエラレオネのカンビア地区で実施される予定です。シエラレオネでのこの地域でエボラ出血熱の最新症例が数件報告されています。試験で使用されるワクチンは、ヤンセンのグループ会社であるCrucell Holland B.V.社のAdVac®技術およびBavarian Nordic社のMVA-BN®技術に基づいた2つのワクチンを組み合わせたものです。試験では免疫持続期間の増強、最適化を目的として、1回目のAdVac投与をプライム(初回免疫)に、2カ月後の2回目のMVA-BN投与をブースト(追加免疫)に用います。

J&J医薬品部門チーフサイエンティフィックオフィサー(CSO)兼ワールドワイド・チェアマンのポール・ストッフェルス医学博士は「西アフリカで目の当たりにしてきたエボラ出血熱によってもたらされた人々の苦しみが二度と起こらないように、国際社会がこの病気に立ち向かっていくことに引き続き協力していきます。エボラ出血熱発生から学んだ多くの教訓の一つとして、エボラ出血熱に対する警戒を決して緩めてはならず、見込みがあればどんな予防手段も試す必要があります。シエラレオネのためだけではなく世界のためにも、この臨床試験によってエボラ出血熱対策における本ワクチンの有用性が裏付けられることを願っています。」と述べています。

J&Jは2014年10月にエボラ出血熱に対する取り組みを発表して以来、シエラレオネなどエボラ出血熱感染の影響を受けた国々の公衆衛生ニーズに対応するため、多くの資源を投入し、エボラワクチンの研究開発を進めてきました。2015年には、ヤンセンが他の企業や研究機関とのパートナーシップおよびコンソーシアムを構築し、欧州および米国の公的機関から資金提供を受け、米国、欧州、アフリカ各地で複数の第I相および第II相試験を開始しました。さらに、ヤンセンはBavarian Nordic社との提携により80万回分以上のワクチン増産を迅速に実現するとともに、必要に応じて合計200万回分のワクチン生産も可能にしました。

試験実施パートナーの一つであるロンドン大学衛生・熱帯医学部門の部門長であるピーター・ピオット博士は「エボラ出血熱に関して安心することはできません。ウィルスの再流行を防ぐため、医療従事者やその他の介護者も含め、人々を長期的に守るワクチンが早急に必要です。この目的を達成するためには、特にエボラ出血熱流行の影響を受けている地域で、候補となるさまざまなワクチンを試すことが重要です。こうした地域では今なお新たな症例が発生しており、また、生き残った人々も感染による長期的な影響を受ける可能性が示唆されています。プライムブーストワクチンの接種は、様々な感染症を長期にわたって予防するための効果的戦略であり、エボラ出血熱との闘いにおいても重要な役割を果たすと信じています。」と述べています。

EBOVAC-Salone試験は、青少年、小児、HIV患者など社会的弱者も含めたシエラレオネの一般の人々を対象としてワクチンの安全性および免疫反応を評価するための重要な試験です。ヤンセンとの提携関係については、EBOVAC-Salone試験をコーディネートしているロンドン大学衛生・熱帯医学部門に加え、シエラレオネの保健省、医学部および医療衛生学部(College of Medicine and Allied Health Sciences)ならびにヤンセンもその一員であり、欧州の革新的医薬品イニシアティブ(IMI)から資金援助を受けている2つのコンソーシアム:試験を実施しているEBOVAC1(エボラワクチンの開発)ならびにエボラワクチンの受入れおよび接種を推進するためのコミュニケーション戦略およびツールを開発しているEBODAC(エボラワクチンの配布、受入れ&コンプライアンス)と提携を結んでいます。

EBOVAC-Saloneチームは当初から、臨床試験の実施によってシエラレオネのエボラ出血熱予防のニーズに応え、シエラレオネの人々の支持を得て、エボラ出血熱発生後の国の保健インフラ復活に貢献することを目標としてきました。多額の投資によって、試験を実施するための新しい施設がカンビアに建設されており、現地の医療制度の強化に大きく貢献することになるでしょう。上記の投資には、カンビア地域病院で初めてとなる救急救命室の設立および病院敷地内での新たなワクチン保管施設の建設が含まれます。こうした努力は、医師、看護師、前線で働くその他の医療従事者たちの雇用、訓練によって補完され、彼らは臨床試験に貢献しながら貴重な経験を積むことになるのです。

シエラレオネ大統領付エボラ出血熱担当特別顧問であるモンティ・ジョーンズ博士は「シエラレオネの人々にとって、エボラ出血熱の流行に打ち勝つことは、長くて苦しい旅となっています。ここシエラレオネでワクチンを研究することが我々自身の将来を保証することになり、また、シエラレオネからの世界の他の国々に対する誇り高き貢献となります。」と述べています。

EBOVAC-Salone試験は、エボラワクチン開発計画加速の一環として、米国、欧州およびアフリカ各地で実施されている現在進行中の複数の第I相および第II相試験と並行して開始されています。プライムブーストワクチンのヒト初回第I相投与試験は2015年1月に英国および米国で始まり、これに続いてアフリカのいくつかの現場でも開始されています。2015年5月、J&Jは英国での第I相試験からの有望な予備的データを米国食品医薬品局(FDA)に提出しています。英国およびフランスで実施されている第II相試験は2015年7月に開始されており、もう一つの多施設共同第II相試験は西アフリカおよび東アフリカの流行地域外にある数カ国で間もなく開始される予定です。これらの第II相試験は、ヤンセンのもう一つのコンソーシアムパートナーであるフランス国立保健医学研究所(Inserm)によってコーディネートされています。

これまで、エボラウイルスに対するワクチン、治療薬、治療法で認可されたものはありません。西アフリカでのエボラ出血熱の発生は2014年3月に始まり、シエラレオネ、リベリアおよびギニアの医療体制には非常に大きな負荷がかかっています。2015年10月現在、3カ国全域で2万8400人を超える人々がウィルスに感染し、1万1300人を超える人々が死亡しています。その中には500人を超える医療従事者も含まれています。とりわけシエラレオネでは約1万4000例のエボラ出血熱が報告されており、約4000人が死亡しています。

 

EBOVAC-Salone試験について

“EBOVAC-Salone”は、任意で参加を申し出たシエラレオネの成人、青少年、子どもを対象とした、エボラ出血熱に対するプライムブーストワクチンの安全性および免疫原性を評価する臨床試験です。被験者は、数カ月にわたって臨床試験の異なるステージに登録される予定です。試験のステージ1ではプライムブーストワクチンの安全性および免疫原性(免疫反応)に関する情報を得るため、18歳以上の成人被験者約40名がワクチン接種を受けます。ステージ2では年齢層を問わずにワクチンの安全性および免疫原性をさらに評価するため、より多数の被験者約400名がワクチン接種を受けます。本ステージには青少年及び小児も含まれます。追加ステージについては、シエラレオネ当局および国際保健機関と協議した上で最終的に決定される予定です。試験の詳細はclinicaltrials.govに掲載されています。

 

2015年1月、欧州の革新的医薬品イニシアティブ(IMI)のエボラ+プログラムから、ヤンセンと協働している世界有数の研究機関や非政府機関から成るコンソーシアムに対し、ワクチンの開発、生産および展開を支援する目的で、総額1億ユーロ以上の助成金が提供されました。ヤンセンのEBOVAC1およびEBODACコンソーシアムのパートナーには、オックスフォード大学、Inserm、グラミン財団およびワールド・ビジョン・アイルランドも含まれています。革新的医薬品イニシアティブ2の共同事業は、エボラウイルス疾患発生に応じて発足したエボラ+プログラムの一部であり、EBOVAC1(助成番号115854)およびEBODAC(助成番号115847)の助成契約下にあります。このIMI2の共同事業は、EUの研究開発・イノベーション促進プログラム「ホライズン2020」および欧州製薬団体連合会(EFPIA)の支援を得ています。

 

エボラワクチンについて

ヤンセンの臨床試験用エボラワクチンは、米国国立衛生研究所(NIH)との共同研究により見いだされたものです。このプログラムは、NIHの一部門である米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)から直接助成および前臨床サービスを受けています(契約番号HHSN272200800056C、HHSN272201000006I、HHSN272201200003I)。第I相試験で使用されているMVA-BN-Filoは、NIAIDとFisher BioServicesとの契約下で製造されたものです(契約番号FBS-004-009およびNIH契約番号HHSN272200800044C)。

2015年9月、ヤンセンのグループ会社であるCrucell Holland B.V.社は、プライムブーストワクチン開発を加速させるため、米国保健社会福祉省(HHS)の一部門である生物医学先端研究開発局(BARDA)から2,850万ドルの提供を受けました。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンのエボラ出血熱に対する取り組みについて

J&Jはワクチン開発の加速に加えて、さまざまな慈善援助団体の取り組みを支援しています。これには、国際的な人道支援団体ダイレクト・リリーフ・インターナショナル(Direct Relief International)、パートナーズ・イン・ヘルス(Partners in Health)、アメリケアズ(AmeriCares)、イントラヘルス(IntraHealth)およびプロジェクト・ホープ(Project HOPE)など、エボラ出血熱の予防および対策を推進する機関が含まれます。また、米国疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)などの公衆衛生担当機関によるエボラ出血熱発生に伴う差し迫ったニーズに対する世界一丸となった継続的対応も支援しています。さらに、看護師を支援する取り組みの一環として、米国のすべての看護師がエボラ出血熱に関する教材を利用できるようにするために、Nurse.comに奨学金を提供しました。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンについて

「世界中の人々をケアすること」―これが私たちジョンソン・エンド・ジョンソンファミリーカンパニーの原点です。私たちは研究と科学を活用し、人々の健康増進とより幸せな生活を実現する革新的なアイデアや製品、サービスを提供します。265社余りのジョンソン・エンド・ジョンソン傘下企業で働く約12万7000人の社員が、ヘルスケア分野のパートナーと協力し、世界で毎日10億人余りの命に触れています。

 

Crucell Holland B.V.社について

クルーセル社はジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカルの一つで、感染症の予防や治療に使われるワクチンの研究開発、製造を中心としています。クルーセル社には幅広い開発パイプラインがあり、製品候補は独自のAdVac®やPER.C6®生産技術を基本としているものがあります。

 

ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、感染症・ワクチン、がん、免疫疾患、精神・神経科学、代謝・循環器疾患が含まれます。患者への貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中の人々を支援しています。

 

将来予測に関する記述

このプレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法の定義する「将来予測に関する記述」が含まれています。本リリースをお読みになる皆さまは、将来予測に関する記述内容に依存することのないようご注意ください。また、本記述は、将来の事象に関する現時点での予想を基礎としています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは未知のリスクや不確実性が具現化した場合、実際の結果がヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しとは実質的に異なるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には、製品開発に本来伴う諸課題と不確実性、臨床的成功及びエボラ出血熱に効く可能性のあるワクチンの安定供給のタイムラインの不確実性、ワクチンの大量生産の諸課題とリスク、エボラ出血熱のワクチンの需要のレベルの不確実性などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。

これらに限定されるものではありません。これらのリスクや不確実性およびその他の要因については、2014年12月28日に終了した会計年度のForm 10-Kに記載されているジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書とその添付書類第99号および米国証券取引委員会への追加提出書類に詳述されています。これらの提出資料につきましては、インターネットでご覧いただくか、ジョンソン・エンド・ジョンソンにお問い合わせください。ヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンはいずれも、新情報や今後発生する事象および事態の進展があった場合も、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません

 

WHO エボラ情勢レポート。
2015年10月1日にアクセス。 http://apps.who.int/ebola/ebola-situation-reports