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「ヘルシーマインド」プログラムの一環で、「アジアパシフィック・メンタルヘルス統合指標報告書」を発表

2016/10/11

~エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる調査~

ヤンセン・アジアパシフィックはこのほど、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)に委託した主要研究イニシアチブである「アジアパシフィック・メンタルヘルス統合指標報告書」を発行しました。この報告書は、10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせて、アジアパシフィック地域各国で発表しています。

各国ともに、精神疾患患者さんを入院治療や施設入所以外の方法で治療し、彼らが地域社会に受け入れられるよう支援することを目指しており、こうした問題に関する取り組みの現状を検証します。メンタルヘルス統合指標は、メンタルヘルスポリシーが効果的に実施されているかという観点で、アジアパシフィック地域における15の国と地域で取り組みの程度を比較し、ランク付けを行うものです。地域社会への統合に関連した各分野の取り組み状況を数値化したスコアを利用し、さらに各国および国際的なメンタルヘルスケアの専門家へのインタビューならびに文献調査などを実施してまとめています。

全体として、指標対象国と地域をメンタルヘルス統合に関して4グループに分類。各グループの分類は経済発展度合と密接に関係しているものの、各国のスコアは大きく異なります。日本は、アジアの高所得国グループに分類されており、本研究においては、質の高い社会サービスのためには、より高度な医療制度および行政的な許容度が必要であるとしています。また、日本においても、より一層の制度化の必要性が認識されています。

本研究は、欧州における2014年の報告書に続くもので、この報告書では適切な治療を受けている精神疾患患者さんの治療格差がヘルスケアシステムにとっての大きな課題のひとつであったことが指摘されていました。

 

報告書によると、地域的な視点から、
●    メンタルヘルスサービスへのアクセスを改善する必要がある。
アジアパシフィック地域全体において、医学的治療を受けられている精神疾患患者さんは、半数未満です。政策立案者や政府が疾患を優先する取り組みを行っているにもかかわらず、このような状態です。精神疾患患者さんを治療し、地域社会に溶け込めるよう支援しようという方向性は共有されているものの、ほとんどすべての場合において、これを実現するためにやるべきことが多数あります。また、メンタルヘルスサービスを受けられるかどうかは、今もなお、居住場所に大きく左右され、経済的に豊かな国であっても農村部と都市部には大きな違いがあります。

●    精神疾患は、経済的な影響をもたらす。
指標対象国による精神疾患患者さんへの支援の程度には大きな差があり、研究結果の傾向として、その地域支援の成功と国の発展度合には重要な関連があることが指摘されています。GDP(国内総生産)に基づいて、研究対象の国と地域を主要4グループに分類しました。報告書では、精神疾患がアジアパシフィック経済に課す経済的な負担を確認しています。経済が好調であるオーストラリアおよびニュージーランドであっても、精神疾患によってGDPがそれぞれ3.5%、5%減少しています。

●    疫学データが不足している。
報告書のもうひとつの主な結論として、精神疾患の有病率に関して、入手可能なデータが不足していることが挙げられます。これは、特に経済発展が遅れている国々で認められ、そうした国々では基礎データさえも不十分であると考えられています。経済先進国では、精神疾患の統計データがより良く収集されていますが、それでも転帰に関するデータは不足しています。

●    精神疾患に対する根強い偏見は、さらなる行動の必要性を明確に示している。
報告書によると、精神疾患、特に統合失調症などへの偏見は、地域に存在したままです。精神疾患患者さんの地域への統合は、地域社会に根差した基盤の構築と共に、最終的には文化的受容と反偏見の努力次第であると報告書は述べています。

 

本研究は、メンタルヘルスポリシーおよびサービス実施の領域で、より良くその役割を果たすことがアジアパシフィック経済にとっていかに重要であるかということのみならず、精神疾患患者さんとその家族に対する姿勢を前向きに変えることに関して、地域社会が果たすことのできる大きな役割についても説明しています。

ヤンセンは、アジアパシフィックにおける「ヘルシーマインド」プログラムの一環として、EIUによる独自の研究を委託しました。精神疾患の問題にいかに取り組むべきか、この点に関して、本研究はアジアパシフィックにおける知識の蓄積に貢献しています。ヤンセンによる研究支援は、精神疾患患者さんの人生を向上させるという当社の取り組みの重要な部分を形成しています。
報告書の写しは、www.janssen.com/apac/mediaからダウンロードすることができます。

 

<参考資料> 研究の背景
アジアパシフィック・メンタルヘルス統合指標は、精神疾患患者さんが社会に溶け込めるようアジアパシフィック15ヵ国で実施されている支援の程度を評価しています。この指標は、2014年に実施した欧州版のメンタルヘルス指標で構築された枠組みを再現しており、関連性について専門家による確認を経て、アジアの状況に合わせています。指標は、「環境」、「機会」、「治療へのアクセス」、「ガバナンス」の4分野について点数付けを行っています。

さらに詳しい情報は、報告書の「方法論」セクションをご参照ください。報告書の内容に対しては、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが責任を負い、研究結果や見解は、必ずしもヤンセン社の意見を反映したものではありません。なお、本報告書の取材を受けた専門家は、取材に対する金銭的な報酬を受けとっていません。
 


ヤンセンの「ヘルシーマインド」プログラムについて
神経科学領域において培ってきた技術力、ネットワークそして企業文化であるイノベーションを生かし、ヤンセンは、精神疾患の治療に貢献するためのグローバルな取り組みである「ヘルシーマインド」プログラムを展開しています。メンタルヘルスの領域において、「精神疾患を抱えるすべての人が、最適な治療を受けることができ、かつ偏見のない生活を送ることができる社会を実現する」というビジョンを掲げ、「ヘルシーマインド」プログラムを通じて、患者さんの生活を改善するため、広範囲に渡って行政と民間の連携や協働をサポートしています。

 

ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。