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日本リウマチ学会(JCR)総会にて抗IL-6モノクローナル抗体製剤シルクマブ の日本人患者における有効性及び安全性に関する第Ⅲ相臨床試験の結果を発表

2017/04/20

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は、中等度から重度の活動性関節リウマチ患者の治療を目的として開発中のヒト型抗インターロイキン(IL)-6モノクローナル抗体製剤(一般名:シルクマブ(遺伝子組換え)、以下、シルクマブ)の皮下投与における有効性及び安全性を評価する2つの主要な第Ⅲ相臨床試験(SIRROUND-D試験とSIRROUND-T試験)の日本人患者における結果を日本リウマチ学会(JCR)総会にて発表しました。

SIRROUND-D試験は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)に対して効果不十分であった患者に対して実施された国際共同第Ⅲ相臨床試験で、プラセボ投与群及びシルクマブ投与群(4週間毎に50mg皮下投与、2週間毎に100mg皮下投与)に割付け有効性及び安全性が検証されました。今回、同試験に登録された日本人患者(168人)についてサブグループ解析を実施した結果、主要評価項目である16週時点のACR20%改善を達成した患者の割合は、プラセボ群の21.4%に対し、シルクマブ投与群では50mgで69.0%及び100mgで66.7%といずれも有意な改善がみられました(p<0.001)1。もうひとつの主要評価項目である52週時のvdH-Sスコアのベースラインからの平均変化量はプラセボ群の4.73に対し、シルクマブ投与群では50mgで1.16及び100mgで0.54といずれも有意な抑制がみられました(それぞれp=0.024、p=0.002)1。また、日本人集団の安全性は概ね全集団と同様でした1,2

SIRROUND-T試験は、抗TNF-α製剤に対して効果不十分または忍容性がない患者に対して実施された国際共同第Ⅲ相臨床試験で、SIRROUND-D試験と同様に有効性及び安全性が検証されました。今回、同試験に登録された日本人患者(116人)についてサブグループ解析を実施した結果、主要評価項目である16週時点のACR20%改善を達成した患者の割合は、プラセボ群の18.9%に対して、シルクマブ投与群では50mgで57.1%、100mgで54.5%といずれも有意な改善がみられました(それぞれp<0.001、p=0.001)3。その改善は投与後8週より早期に認められ、52週まで維持しました3。なお、SIURROUND-T試験に登録された全患者の約40%は腫瘍壊死因子(TNF)以外を標的とする生物学的製剤による治療経験を有していました4

さらに、上記の国際共同臨床試験を含む第Ⅲ相臨床試験の結果を用いて、シルクマブの日本人患者における安全性及び薬物動態/曝露応答性の検討を実施したところ、日本人患者におけるシルクマブの薬物動態と外国人患者における薬物動態に違いは認められず、曝露応答性の結果から、日本人患者ではシルクマブ50mgを4週に1回皮下投与することにより、関節リウマチ治療にとって十分な曝露量が得られることが示唆されました5。また、安全性併合解析の結果から、シルクマブは日本人患者に対して安全で忍容性があり、日本人特有の安全性シグナルは検出されませんでした6

ヤンセンは、関節リウマチ治療薬においてTNFαを標的とした既承認の「シンポニー®皮下注50mgシリンジ(一般名:ゴリムマブ(遺伝子組換え))」に加え、IL-6を標的とした作用機序の異なる「シルクマブ」により将来的に患者さんの治療選択肢が増えることを期待しています。「シルクマブ」のような治療に変革を起こしうる医薬品を提供することで、関節リウマチの患者さんとそのご家族の多様なニーズとQOL向上に引き続き尽力してまいります。

 

 

シルクマブについて

シルクマブ(遺伝子組換え)は、ヒト型抗IL-6 IgG1kモノクローナル抗体であり、関節リウマチを含むIL-6が関与する炎症・免疫疾患の発症メカニズムに作用しその炎症症状を抑制します。

 

SIRROUND 臨床試験について

SIRROUND試験は、以下の成人の関節リウマチ患者を対象に行った5つの国内・国際共同臨床試験で構成されます。

D試験:  疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)に対して効果不十分であった患者。

T試験:  抗TNF製剤に対して効果不十分または忍容性がない患者。

H試験:  メトトレキサートに対して効果不十分もしくは忍容性がない患者。 

M試験:  メトトレキサートもしくはスルファサラジンに対して効果不十分であった日本人の患者。

LTE試験: SIRROUND-D試験とSIRROUND-T試験を完了した患者対象の長期試験。

 

関節リウマチについて

関節リウマチは慢性の全身性炎症疾患で、疼痛、関節腫脹、こわばり、関節破壊、関節障害を特徴とします。日本では約70万7、世界中で2,350万8を超える人々がこの疾患に罹患していると推定されています。関節リウマチの症状は、30歳から50歳代9で最も多く発症し、女性の発症頻度は男性に比べて約3倍多く罹患していることが知られています。

References:

  1. The efficacy and safety of sirukumab in DMARD-resistant (DMARD-IR) Japanese Rheumatoid Arthritis (RA) Patients: Sub-analysis of the CNTO136ARA3002 Study. Abstract presented at JCR 2017.
  2. New Janssen Phase 3 Data In Patients With Moderately To Severely Active Rheumatoid Arthritis Shows Sirukumab Significantly Inhibited Radiographic Progression And Improved Signs And Symptoms Of Disease. Data presented at EULAR 2016: http://www.investor.jnj.com/releasedetail.cfm?releaseid=974907 
  3. The efficacy and safety of sirukumab in TNF Inhibitor-resistant (TNF-IR) Japanese Rheumatoid Arthritis (RA) Patients: Sub-analysis of the CNTO136ARA3003 Study. Abstract presented at JCR 2017.
  4. Efficacy and safety of sirukumab in patients with active rheumatoid arthritis refractory to anti-TNF therapy (SIRROUND-T): a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, multinational, phase 3 study. Lancet 2017; 389: 1206–17
  5. .  A review of the pharmacokinetics (PK) and responsiveness to exposure of sirukumab in Japanese active rheumatoid arthritis (RA) patients: results of Phase III clinical studies (ARA3001-3003). Abstract presented at JCR 2017.
  6. The safety profile of sirukumab in Japanese patients with active rheumatoid arthritis (RA): pooled analysis of Phase III clinical studies (ARA 3001-3003). Abstract presented at JCR 2017.
  7. Japan Rheumatism Foundation Information Center http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/hyobou/rm310-2.html
  8. Centers for Disease Control and Prevention. Rheumatoid Arthritis (RA). Available at: http://www.cdc.gov/arthritis/basics/rheumatoid.htm. Accessed August 16, 2016.
  9. 2015 Rheumatic white paper published by Rheumatism Association of Public interest group corporation

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

将来予測に関する記述

このプレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法の定義する「将来予測に関する記述」が含まれています。本リリースをお読みになる皆さまは、将来予測に関する記述内容に依存することのないようご注意ください。また、本記述は、将来の事象に関する現時点での予想を基礎としています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは未知のリスクや不確実性が具現化した場合、実際の結果がヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しとは実質的に異なるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には、利子や為替の変動などの経済的要因、技術的な進歩を含む競争、競合他社による新製品や特許の取得、規制当局による承認の取得を含む新製品の開発に本来伴う諸課題、特許に関する問題、医薬品やサービスの購入者の行動・消費パターンの変化や財政的困窮、政府の法律や規制の変更及び国内外の医療改革、医療費削減の潮流を含む一般的業界動向及び政府機関による医薬品業界への監督強化などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。これらのリスクや不確実性及びその他の要因については、2016年1月3日に終了した会計年度のForm 10-Kに記載されているジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書とその添付書類第99号及び米国証券取引委員会への追加提出書類に詳述されています。これらの提出資料につきましては、インターネット(www.sec.govwww.jnj.com)でご覧いただくか、ジョンソン・エンド・ジョンソンにお問い合わせください。ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンはいずれも、新情報や今後発生する事象及び事態の進展があった場合も、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。