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抗結核治療薬「ベダキリン」の製造販売承認を申請

2017/04/25

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は、本日、新規抗結核薬であるベダキリンフマル酸塩(一般名、以下「ベダキリン」)について、多剤耐性肺結核を適応症として製造販売承認の申請を行いました。

本剤は、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社が創製したジアリルキノリン系の新規抗結核薬です。既存の抗結核薬とは異なる作用機序を有し、結核菌のエネルギー生成に必須であるアデノシン5'-三リン酸(ATP)合成酵素を特異的に阻害し、増殖期及び休眠期の結核菌のいずれに対しても強い殺菌活性を示します。

ベダキリンは、2012年に米国、2014年に欧州で承認(海外販売名:SIRTURO®)され、現在では多剤耐性肺結核に対する多剤併用療法の1剤として世界40ヵ国以上で承認されています。また、ストップ結核パートナーシップ※1のグローバル・ドラッグ・ファシリティ(GDF)を通じて、グローバルファンド※2適格国における結核プログラムとして提供されています。本邦でも希少疾病医薬品に指定されており、今回の承認申請は、海外臨床試験に加え、国内臨床試験の結果に基づくものです。

結核は、世界の10大死亡原因の1つであり、世界保健機関(WHO)の2016年のレポートでは、2015年に世界で1,040万人が新規に結核を発症し、180万人が結核により死亡しています1。2015年に新規に発症した多剤耐性結核(リファンピシン耐性を含む)の推定患者数は世界全体で58万人1、日本では230人2と推定されており、このうち検査機関で確認された日本の患者数は78人2でした。多剤耐性結核は世界にまん延しつつあり、さらに広汎な薬剤に耐性を示す超多剤耐性結核も大きな問題となっています。

多剤耐性結核は、一般的な結核に比べて治癒率が低く、治癒したとしても再発が多いだけでなく、より長期間の治療を要するため、本人の負担だけでなく周囲への感染、医療費などを含めて長期にわたり社会に影響を与える疾患です3

日本においても、多剤耐性結核の治療選択肢は依然として限られています。ヤンセンは、ベタキリンを多剤耐性肺結核に対する多剤療法の新たな治療薬として日本でも提供することで、患者さんのQOL向上に尽力していきます。

 

※1 世界の結核を制圧するために2000年に世界保健機関(WHO)で設立されました。様々なパートナーと結核対策を行う連携機関、マルチセクター・パートナーシップ(連合体)です。

※2 グローバルファンドは、中低所得国の三大感染症(エイズ、結核、マラリア)対策のために資金を提供する機関として、G7を初めとする各国の政府や民間財団、企業など、国際社会から大規模な資金を調達し、中低所得国が自ら行う三疾病の予防、治療、感染者支援、保健システム強化に資金を提供しています。

 

参照文献

  1. World Health Organization. Global tuberculosis report 2016.
  2. World Health Organization. Tuberculosis country profiles - Japan Tuberculosis profile. 2015. Available from: https://extranet.who.int/sree/Reports?op=Replet&name=/WHO_HQ_Reports/G2/PROD/EXT/TBCountryProfile&ISO2=JP&outtype=html
  3. http://www.kekkaku.gr.jp/pdf/aninfo-201106teigen.pdf

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

将来予測に関する記述

このプレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法の定義する「将来予測に関する記述」が含まれています。本リリースをお読みになる皆さまは、将来予測に関する記述内容に依存することのないようご注意ください。また、本記述は、将来の事象に関する現時点での予想を基礎としています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは未知のリスクや不確実性が具現化した場合、実際の結果がヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しとは実質的に異なるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には、利子や為替の変動などの経済的要因、技術的な進歩を含む競争、競合他社による新製品や特許の取得、規制当局による承認の取得を含む製品の開発に本来伴う諸課題、特許に関する問題、医薬品やサービスの購入者の行動・消費パターンの変化や財政的困窮、政府の法律や規制の変更および国内外の医療改革、医療費削減の潮流を含む一般的業界動向および政府機関による医薬品業界への監督強化などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。これらのリスクや不確実性およびその他の要因については、2016年1月3日に終了した会計年度のForm 10-Kに記載されているジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書とその添付書類第99号および米国証券取引委員会への追加提出書類に詳述されています。これらの提出資料につきましては、インターネット(www.sec.govwww.jnj.com)でご覧いただくか、ジョンソン・エンド・ジョンソンにお問い合わせください。ヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンはいずれも、新情報や今後発生する事象および事態の進展があった場合も、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。