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ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤 「トレムフィア®皮下注100mgシリンジ」、 生物学的製剤で日本初の掌蹠膿疱症治療薬として適応追加承認を取得

2018/11/21

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は本日、ヒト型抗ヒトインターロイキン(IL)-23p19モノクローナル抗体製剤「トレムフィア®皮下注100mgシリンジ」(一般名:グセルクマブ(遺伝子組換え)、以下「トレムフィア」)について、既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。

 

トレムフィアは、ヤンセンが開発したヒト型モノクローナル抗体で、乾癬や掌蹠膿疱症の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害します。既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症に対して効能・効果を有する、日本初の生物学的製剤です。

 

今回の承認は、既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の日本人患者を対象とした国内第3相試験(PPP3001試験)の結果、トレムフィアの52週までの投与における有効性および安全性が示されたことに基づくものです。
PPP3001試験では、既存治療の効果が不十分で、PPPASI(掌蹠膿疱症による皮疹の面積と重症度指数)合計スコアが12以上、手のひらまたは足の裏に中等度以上の膿疱・小水疱を有する掌蹠膿疱症の日本人患者159例を対象に、グセルクマブ200mg、100mgまたはプラセボを1:1:1でランダムに割り付け、0および4週後、それ以降8週間隔で皮下投与しました。
本試験の結果、16週のPPPASIスコア変化量(主要評価項目)は、200mg群で-11.7、100mg群で-15.3、プラセボ群で-7.6であり、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善が認められ、いずれの用量でも安全性上の新たな懸念は認められませんでした。この効果は、52週までおおむね継続的に向上・維持されました。

 

ヤンセンの代表取締役社長であるクリス・フウリガンは、次のように述べています。「これまで、掌蹠膿疱症の治療は薬物療法を中心とした対症療法が主体で、第一選択は外用療法でした。外用療法によるコントロールが難しい場合には、内服療法や光線療法が行われます。しかし、これらの既存治療では効果不十分な患者さんには、さらに治療を進める選択肢がありませんでした。今回の承認によって、トレムフィアが生物学的製剤で日本初の掌蹠膿疱症治療薬となり、そのような患者さんへ新たな治療選択肢をご提供できることを嬉しく思います。」

 

なおトレムフィアは、日本において、2018年5月より既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応症として販売を開始しています。

 

ヤンセンは、乾癬や掌蹠膿疱症など免疫疾患の薬剤に科学的進歩をもたらすことをコミットしています。今後も、未だ満たされない医療ニーズに応えることで、患者さんのQOL向上に尽力していきます。

 

「トレムフィア®皮下注100mgシリンジ」製品概要

製品名   : トレムフィア® 皮下注100mg シリンジ
一般名   : グセルクマブ(遺伝子組換え)
効能・効果 : 既存治療で効果不十分な下記疾患
        尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症
用法・用量 : 通常、成人にはグセルクマブ(遺伝子組換え)として、1回100mgを初回、4週後、以降8週間隔で皮下投与する

 

掌蹠膿疱症について

掌蹠膿疱症は、手のひらおよび足の裏に無菌性膿疱が多発し、慢性に経過する難治性の皮膚疾患です。手のひらは常に人から見えること、足の裏は歩行時に痛みを伴うこともあることから、患者さんの生活の質(QOL)への影響は大きいとされています1,2。また、これらの病変は膿疱が再発を繰り返し、紅斑や鱗屑(りんせつ)が長期に渡って持続することも、QOLの 低下に影響しています3。患者数は男性に比べて女性に多く認められています4

日本における掌蹠膿疱症の罹病率は0.12%で、患者数は約13万人と報告されています5。一方、欧米における掌蹠膿疱症の罹病率は0.01~0.05%と報告されており6、海外に比べて日本で多く認められる疾患です7

 

PPP3001試験について

PPP3001試験は、掌蹠膿疱症に対するグセルクマブの有効性および安全性を評価することを目的とした、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験です。
PPP3001試験においてQOLへの影響を検討した結果、本試験開始前のDLQI(Dermatology Life Quality Index)スコア平均値は、200mg群7.9、100mg群9.3、プラセボ群8.7に対し、16週における変化量は、200mg群で-3.6、100 mg群で-4.6、プラセボ群で-2.0であり、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善が認められました。EQ-5D(EuroQol 5 Dimension)スコアの変化量も、プラセボと比較してグセルクマブ200mgおよび100mgで有意な改善が認められました。DLQIとEQ-5Dの両スコアは52週まで継続的に改善しました。

 

コ・プロモーション契約について

ヤンセンと大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 将之、以下「大鵬薬品」)が2017年12月に締結した国内におけるコ・プロモーション契約に基づき、ヤンセンは製造販売元として大鵬薬品へトレムフィアを供給し、大鵬薬品はその販売権を保有します。また、医療従事者への情報提供活動は、ヤンセンと大鵬薬品の両社が共同で実施します。

 

参考文献

  1. 大久保ゆかり. 掌蹠膿疱症はいかに患者のQOL を低下させるか? Visual Dermatol. 2012;11:1032-5.
  2. Trattner H, et al. Quality of life and comorbidities in palmoplantar pustulosis - a cross-sectional study on 102 patients. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2017 Mar 2.
  3. 村上正基. 掌蹠膿疱症とニコチン性アセチルコリン受容体, kallikrein related peptidase (KLK)と鱗屑について. Visual Dermatol. 2012;11:1059-63.
  4. 小宮根真弓. 掌蹠膿疱症. In: 飯塚一, et al, editors. 皮膚科診療プラクティス 16 乾癬にせまる. 2004. p.210-4.
  5. Kubota K, et al. Epidemiology of psoriasis and palmoplantar pustulosis: a nationwide study using the Japanese national claims database. BMJ Open. 2015 Jan 14;5(1):e006450.
  6. de Waal AC, et al. Pustulosis palmoplantaris is a disease distinct from psoriasis. J Dermatolog Treat. 2011 Apr;22(2):102-5.
  7. 山本俊幸. 掌蹠膿疱症の臨床: 掌蹠および掌蹠外の皮疹. Visual Dermatol. 2012;11:1018-21.

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。

さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

TEL:03-4411-5046   FAX: 03-4411-5050@ E-mail: [email protected]