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トレムフィア ® 、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎に係る製造販売承認を申請

2024/04/25

 

トレムフィア®、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎に係る製造販売承認を申請

 

本申請は、第III相QUASAR試験の結果に基づく

 

トレムフィア®を投与された中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者さんにおいて
44週目に臨床的寛解を達成した患者さんの割合が
プラセボ群と比較して有意に高いことが示された

 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「ヤンセン」)は25日、トレムフィア®(一般名:グセルクマブ〔遺伝子組換え〕)について、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)の治療薬として、製造販売承認申請を行いました。

 

今回の申請は、第III相QUASAR試験の結果に基づくものです1。本試験は、従来の治療、生物学的製剤および/またはJAK阻害剤で効果不十分または忍容性が不良であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象に、トレムフィア®の有効性と安全性を評価しています1

 

本試験では、症状、内視鏡的寛解や組織学的寛解などの評価項目を含む疾患活動性の指標、疲労などの患者報告アウトカムにおいて、トレムフィア®がプラセボと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました2,3。また安全性プロファイルについては、すでに承認された適応症におけるトレムフィア®の既知の安全性プロファイルと一貫していました2,3

 

潰瘍性大腸炎は、過剰な免疫反応により発症する慢性疾患です4。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、貧血、疲労などが挙げられます4
なお日本では、潰瘍性大腸炎は国の指定難病であり5、現在約22万人の患者さんがいると推定6されています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン Global Therapeutic Area Head Immunology, Johnson & Johnson Innovative MedicineのDavid Leeは、次のように述べています。「治療は進歩しています。しかし、潰瘍性大腸炎患者さんの中には、既存の治療法では効果が不十分もしくは忍容性が不良の患者さんがいらっしゃいます。このような患者さんにとって、今後トレムフィア®が新たな治療選択肢となることを期待しています。体力を消耗させるような症状などを伴う潰瘍性大腸炎をはじめとする慢性の自己免疫疾患とともに生きる患者さんのため、我々は新しい治療を開発すべく引き続き注力するとともに、当局とも緊密に連携して参ります」

 

トレムフィア®は、インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットに選択的に結合する完全ヒト型モノクローナル抗体です3,7。IL-23は、活性化した単球/マクロファージおよび樹状細胞から分泌されるサイトカインで、潰瘍性大腸炎をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています8。トレムフィア®は、2017年7月に米国で、成人の中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として初めて承認され、その後2020年7月、成人の活動期の関節症性乾癬の治療薬としても承認されました7。日本国内では、2018年3月に、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療薬として、さらに2018年11月に既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の治療薬として承認を取得しています9

 

12週までの第III相QUASAR寛解導入試験の結果は、2023年の米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)年次総会で発表され2、44週までの第III相QUASAR寛解維持試験の結果は、今後開催される学術会議で発表される予定です。

 

QUASAR試験(NCT04033445)について

QUASAR試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)および/またはJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の有効性および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第IIb/III相試験です1。本試験は、第IIb用量設定導入試験、第III相寛解導入試験、第III相寛解維持試験から構成されています。なお、有効性、安全性、薬物動態、免疫原性、バイオマーカーは規定された時点で評価されます1

 

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で4、過剰な免疫反応により発症します4。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます4。また潰瘍性大腸炎の患者さんは、うつ病の発症率も高いことが分かっています10

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について

ヤンセンが開発したトレムフィア®は、インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットに選択的に結合する完全ヒト型モノクローナル抗体です3。IL-23は、炎症性疾患の発症に関与する重要な因子の1つです8

 

トレムフィア®は、米国7、カナダ11、日本12をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州でも、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、および疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性関節症乾癬の成人患者さんの治療薬として承認されています13

 

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A study of guselkumab in participants with moderately to severely active ulcerative colitis (QUASAR). Identifier: NCT04033445. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04033445. Accessed February 2024.
  2. Allegretti, J, et al. The efficacy and safety of guselkumab induction therapy in patients with moderately to severely active ulcerative colitis: Results from the Phase 3 QUASAR induction study. Presented at Digestive Disease Week, May 6-9.
  3. Peyrin-Biroulet L, et al. Guselkumab in patients with moderately to severely active ulcerative colitis: QUASAR Phase 2b induction study. Gastroenterology. 2023 Dec;165(6):1443-1457. doi: 10.1053/j.gastro.2023.08.038. Epub 2023 Sep 1. PMID: 37659673.
  4. Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/patientsandcaregivers/what-is-ul.... Accessed February 2024.
  5. 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/62
  6. J Gastroenterol. 2019 Dec;54(12):1070-1077. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31309327/
  7. US Food and Drug Administration. TREMFYA® Prescribing Information. Available at: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/761061s007lbl.pdf. Accessed February 2024.
  8. Schinocca, C. et al. Role of the IL-23/IL-17 pathway in rheumatic diseases: an overview. Frontiers in immunology. 2021 Feb 22;12:321. https://doi.org/10.3389/fimmu.2021.637829.
  9. トレムフィア®添付文書
  10. Tarar ZI, Zafar MU, Farooq U, Ghous G, Aslam A, Inayat F, Ghouri YA. Burden of depression and anxiety among patients with inflammatory bowel disease: results of a nationwide analysis. Int J Colorectal Dis. 2022 Feb;37(2):313-321. doi: 10.1007/s00384-021-04056-9. Epub 2021 Nov 3. PMID: 34731298.
  11. The Canadian Agency for Drugs & Technologies in Health. TREMFYA Prescribing Information. Available at: https://pdf.hres.ca/dpd_pm/00042101.PDF. Accessed February 2024.
  12. Japan Pharmaceuticals and Medical Devices Agency. Tremfya Report on the Deliberation Results. Available at: https://www.pmda.go.jp/files/000234741.pdf. Accessed February 2024.
  13. European Commission: Tremfya (guselkumab). Available at: https://ec.europa.eu/health/documents/community-register/html/h1234.htm. Accessed February 2024.