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アーリーダ®(アパルタミド)が転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC)患者の全生存期間(OS)と画像上の無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長

2019/06/06

※当資料は、2019年5月31日(現地時間)に米国イリノイ州シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2019)で発表した抄訳版プレスリリースですので必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。プレスリリースの正式言語が英語であるため、原文の発表内容が優先されます。なお、「アーリーダ®」における転移性去勢感受性前立腺癌の効能・効果については日本国内で未承認です。

 

アーリーダ®(アパルタミド)が転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC)患者の
全生存期間(OS)と画像上の無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長

  • ASCO 2019の最先端科学をハイライトする“Best of ASCO”に選ばれたほか、The New England Journal of Medicineに同時発表

 

イリノイ州シカゴ(2019年5月31日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは本日、国際共同第III相試験(PCR3002 試験、TITAN)の結果として、転移性去勢感受性前立腺癌(mCSPC)患者を対象にアンドロゲン除去療法(ADT)の併用下でアーリーダ®(一般名:アパルタミド)とプラセボを比較して全生存期間(OS)と画像上の無増悪生存期間(rPFS)の2つの主要評価項目を有意に延長したことを発表しました1。この試験は、転移の広がりやドセタキセル投与歴に関わらずmCSPC患者を対象とした試験です1。結果はシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で発表され(抄録番号5006)、“Best of ASCO 2019”に選ばれたほか、The New England Journal of Medicineのオンライン版でも同時に公表されました。

 

ADT併用下でアーリーダ®とプラセボを比較してOSが有意に延長し、死亡のリスクが33%低下しました(HR=0.67、95% CI:0.51~0.89、P=0.0053)。また、rPFSも有意に延長し、画像上の増悪又は死亡のリスクが52%低下しました(HR=0.48、95% CI:0.39~0.60、P<0.0001)1。追跡調査期間の中央値が22.7ヵ月の時点で、2年全生存率はアーリーダ®では82%であったのに対し、プラセボでは74%でした1

 

これらのデータは、ヤンセンが米国食品医薬品局(FDA)にアーリーダ®のmCSPCへの適応追加申請(sNDA)の資料となっており、現在Real-Time Oncology Review(RTOR)プログラムにより審査中です。

 

OS及びrPFSの2つの主要評価項目を達成したことに加え、ADT併用下でアーリーダ®を使用した患者では副次評価項目の細胞傷害性化学療法開始までの期間延長も達成され、プラセボと比較してリスクが61%低下しました(HR=0.39、95% CI:0.27~0.56、P<0.0001)1。探索的評価項目であるPSA増悪までの期間の中央値は、アーリーダ®の方がプラセボより良好であり、アーリーダ®では68%、プラセボでは29%でPSAが検出限界未満となりました1。さらに、アーリーダ®では二次無増悪生存期間(PFS2、ランダム化から最初の後治療中の増悪又は死亡のいずれか早い時点までの期間と定義)のリスクが34%低下しました(HR=0.66、95% CI:0.50~0.87)1。痛みの増悪までの期間の検定を行いましたが統計的有意性は認められなかったことから、階層的統計デザインにより、オピオイドの慢性使用までの期間の中央値及び骨関連事象までの期間の中央値といったその他の副次評価項目については、現時点で正式な検定を実施していません1

 

有害事象は、アーリーダ®の既知の安全性プロファイルと概ね一致するものでした。ADT併用下でアーリーダ®とプラセボで特に多くみられたグレード3/4の有害事象は、アーリーダ®42%、プラセボ41%でした。最も頻度の高いグレード3の有害事象は、高血圧(8.4% vs.9.1%)、発疹(6.3% vs. 0.6%)。1追加報告されたグレード3の有害事象は、背部痛(2.3% vs. 2.7%)、アルカリフォスファターゼ上昇(0.4% vs. 2.5%)、貧血(1.7% vs. 3.2%)でした1。有害事象による投与中止は、アーリーダ®が8%であったのに対し、プラセボでは5%でした。全グレードの発疹は、アーリーダ®患者の方がプラセボ患者より高頻度でした(それぞれ27% vs 9%)1

 

TITAN試験について1

TITAN試験は、転移の広がりやドセタキセル投与歴に関わらずmCSPC患者を対象とした第III相、ランダム化、プラセボ対照、二重盲検試験です。この試験には、23ヵ国260施設で患者1,052名が参加しました。mCSPC患者は1:1の割合で、アーリーダ®(240 mg)とアンドロゲン除去療法(ADT)(n=525)を受ける群、又はプラセボとADT(n=527)を受ける群にランダムに割り付けられました。この試験の組入れ期間は、2015年12月から2017年7月まででした。TITAN試験はlow volumeとhigh volumeの両方のmCSPC患者を対象とし、新たに診断された患者、根治的局所療法歴又はmCSPCに対する最大6サイクルのドセタキセル投与歴若しくは最長6ヵ月間のADT歴を有する患者が参加しました。被験者は、増悪又は投与と関連した許容できない有害事象が認められるまで投与を受けました。治験依頼者は、盲検解除までの安全性及び有効性をモニタリングして試験実施に関する勧告を行う独立データモニタリング委員会を設置しました。この試験の主要評価項目はOSとrPFSです。副次評価項目は、化学療法開始までの期間、痛みの増悪までの期間、オピオイドの慢性使用までの期間、骨関連事象までの期間です。探索的評価項目は、PSA増悪までの期間、二次無増悪生存期間、症状増悪までの期間です1。この試験についてのさらに詳しい情報はClinicalTrials.gov.をご覧ください。

 

転移性去勢感受性前立腺癌について

転移性去勢感受性前立腺癌(mCSPC)とは、前立腺癌のうち、アンドロゲン除去療法(ADT)が有効な状態にあり、かつ前立腺以外の部位に広がった病態を指します2,3。mCSPC患者は予後不良の傾向があり、OSの中央値は5年未満と新たな治療選択肢の必要です2,3,4

 

アーリーダについて

アーリーダ®(アパルタミド)は、非転移性去勢抵抗性前立腺癌(nmCRPC)患者の治療に用いられるアンドロゲン受容体阻害剤です。アーリーダ®は、2018年2月14日にnmCRPC治療薬として初めてFDAの承認を取得しました5。前立腺癌のNCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCNガイドライン®)では、非転移性(M0)CRPC患者に対する治療選択肢としてアパルタミドが示されており、PSA倍加時間が10ヵ月以下の場合はカテゴリー1の推奨とされています*6。さらに、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に関する米国泌尿器学会(AUA)のガイドラインが改訂され、臨床医が無症候性nmCRPC患者に提示する治療選択肢としてアパルタミドとADTの併用療法が追加されました。この治療は、臨床医が転移のリスクが高いnmCRPC患者に提示する選択肢のひとつとして示されています(標準、エビデンスレベルグレードA)**7

 

*前立腺癌用NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCNガイドライン®)V.2.2019から許可を得て引用。© National Comprehensive Cancer Network, Inc. 2018. All rights reserved.(アクセス日:2019年4月23日) NCCNガイドライン®の最新の完全版をご覧になりたい方はNCCN.orgにアクセスしてください。NCCNは、当該ガイドラインの内容、使用及び適用に関して一切保証せず、当該ガイドラインの適用又は使用について一切の責任を負いません。

**標準:グレードA又はBのエビデンスに基づき、ある行為を行うべきである(ベネフィットがリスク/負担を上回る)、又は行うべきでない(リスク/負担がベネフィットを上回る)と示す指示文。

**エビデンスレベル:AUAの用語及び方法論に基づき結果の確実性を「高」(A)、「中」(B)又は「低」(C)で示した表記。

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

 

参考文献

  1. Chi, Kim. First results from TITAN: A phase III double-blind, randomized study of apalutamide (APA) versus placebo (PBO) in patients (pts) with metastatic castration-sensitive prostate cancer (mCSPC) receiving androgen deprivation therapy (ADT). Accessed May 2019.
  2. American Cancer Society. Survival rates for prostate cancer.
    https://www.cancer.org/cancer/prostate-cancer/detection-diagnosis-staging/survival-rates.html. Accessed May 2019.
  3. Crawford ED, Higano CS, Shore ND, et al. : Treating patients with metastatic castration resistant prostate cancer: A comprehensive review of available therapies. J Urol 194:1537-1547, 2015.
  4. Fizazi K., et al. Abiraterone plus Prednisone in Metastatic, Castration-Sensitive Prostate Cancer.
    New England Journal of Medicine. June 2017.
  5. ERLEADA® Prescribing Information, February 2018.
  6. National Comprehensive Cancer Network (NCCN) Guidelines. Available at file://znycfp2/ny%20dept/NY%20Health/J&J/Janssen%20Oncology/Apalutamide/2019/Regulatory%20Milestones/NCCN%20Guidelines/PC%20NCCN%20Guidelines%20-%202019.pdf Accessed May 2019.
  7. American Urological Association. Castration-Resistant Prostate Cancer Guidelines. http://www.auanet.org/guidelines/castration-resistant-prostate-cancer-(2013-amended-2018). Accessed May 2019.

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

TEL:03-4411-5046   FAX: 03-4411-5050   @ E-mail: [email protected]