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トレムフィア®、成人の中等症から重症の活動期クローン病に係る製造販売承認を申請

2024/08/09

 

トレムフィア®、成人の中等症から重症の活動期クローン病に係る製造販売承認を申請

 

本申請は、第III相GALAXI及びGRAVITI試験の48週の結果、第III相CRD3003試験結果に基づく

 

トレムフィア®は、皮下注導入療法において
静脈内導入療法と同等の良好な内視鏡的治療成績を示した唯一のIL-23阻害薬
クローン病において皮下注導入療法と静脈内導入療法という2つの選択肢を提供する
このクラスにおいて初めての薬剤となる可能性

 

GALAXI試験には
トレムフィア®のステラーラ®(ウステキヌマブ)に対する優越性を示すデータも含まれる

 

Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は9日、トレムフィア®(一般名:グセルクマブ〔遺伝子組換え〕)について、成人の中等症から重症の活動期クローン病(既存治療で効果不十分な場合に限る)の治療薬として、製造販売承認申請を行いました。

 

今回の申請は、国際共同第III相GALAXI試験、GRAVITI試験及び国内CRD3003試験の結果に基づくものです。第III相GALAXI試験の結果1は、2024年5月米国消化器病週間(Digestive Disease Week: DDW)のLate-breaking口頭発表として発表されました。GALAXI 2/3試験は、クローン病におけるプラセボ及びウステキヌマブに対する有効性を検証した、初めての二重盲検直接比較試験です1。トレムフィア®は、それぞれの試験の2種類の維持用量(100 mg 8週間隔皮下投与及び200 mg 4週間隔皮下投与)の有効性において、プラセボに対する優越性が示されました。また、両試験を併合した解析結果において、多重性を調整した内視鏡的有効性においてウステキヌマブに対する優越性が示されました1

 

また第III相GRAVITI試験は、成人の中等症から重症の活動期クローン病患者さんを対象に、トレムフィア®による皮下注導入療法を検証した試験2です。本試験では、12週目の臨床的寛解及び12週時の内視鏡的反応において、統計学的に有意かつ臨床的意義のあるアウトカムを示し、共主要評価項目を達成しました。更に12週時、24週時、48週時において、トレムフィア®はプラセボと比較し、多重性を調整した全ての評価項目を達成しました3。 GALAXI試験及びGRAVITI試験の結果は、トレムフィア®がクローン病において、皮下注及び静脈注射での導入療法である2つの治療選択肢を提供する唯一のIL-23阻害薬となる可能性を示すものです。

 

さらに、日本でのみ実施された第III相 CRD3003試験は、日本人のクローン病患者さんにおけるトレムフィア®の安全性プロファイルを実証する試験です4

 

トレムフィア®が承認されれば、患者さん及び医療従事者に新たな治療選択肢と多様性を提供できるようになります1,3

 

J&J Innovative MedicineのGlobal Therapeutic Area Head ImmunologyのDavid Leeは、次のように述べています。「免疫疾患領域において、30年近くにわたり培ってきた知識や経験に基づき、クローン病とともに生きる患者さんのニーズに応えられるよう、私たちは日々研究開発に取り組んでいます。トレムフィア®は、症状の緩和と持続的な寛解を求める患者さんにとって、差別化できる治療選択肢となる可能性があります。私たちは、クローン病をはじめとする炎症性腸疾患の患者さんのために引き続き取り組んでいくとともに、今後の承認取得に向け、当局とも緊密に連携して参ります」

 

トレムフィア®は、IL-23を阻害するとともに、炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めて承認された完全ヒト型、二重作用モノクローナル抗体5です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージ及び樹状細胞から分泌されるサイトカインで、クローン病をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています6

 

トレムフィア®は、日本国内では、2018年3月に、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療薬として、さらに2018年11月に既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の治療薬として承認を取得7しています。また、日本では今年4月に成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎に係る製造販売承認も申請しています。

 

GALAXI試験(NCT03466411)について

GALAXIは、既存の治療薬(免疫調節薬、コルチコステロイド)及び/又は生物学的製剤(TNF拮抗薬、ベドリズマブ)で効果不十分又は忍容性を示さなかった中等症から重症の活動期クローン病患者さんを対象に、グゼルクマブの有効性と安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、実薬対照(ウステキヌマブ)、国際共同、多施設共同第II/III相プログラム8です。GALAXIプログラムには、第II相用量設定試験(GALAXI 1試験)および2つの独立した同一デザインの第III相検証試験(GALAXI 2およびGALAXI 3試験)が含まれます。各GALAXI試験には、患者が最初に無作為に割り付けられた治療を継続するtreat-throughデザインが採用され、実臨床の実態を反映するとともに、グゼルクマブの臨床的、内視鏡的および安全性評価項目を合計5年にわたり評価する長期延長試験が含まれます。患者さんはプラセボに無作為に割り付けられており、12週時に臨床効果が得られなかった場合、ウステキヌマブの投与を受けることができました8

 

GRAVITI試験(NCT05197049)について

GRAVITI試験は、既存治療(免疫調整剤またはステロイド薬)及び生物学的製剤(TNF阻害薬、ベドリズマブ)で効果不十分もしくは忍容性不良であった、成人の中等症から重症の活動期クローン病の患者さんを対象に、トレムフィア®による皮下導入療法(100 mg 0週時、4週時、8週時に400 mg皮下投与)を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対象、並行群間、多施設共同、第III相試験です2。GRAVITI試験における維持用量は、GALAXI試験で評価された用量と同じです(100 mg 8週間隔皮下投与及び200 mg 4週間隔皮下投与)。GRAVITI試験は、患者さんが最初に無作為に割り付けられた治療を継続するtreat-throughデザインが採用されました。無作為にプラセボに割り付けられた患者さんは、16週時にレスキュー基準を満たした場合、グセルクマブの投与を受けることができました2

 

CRD3003試験(NCT04397263)について

CRD3003試験は、既存治療(免疫調整剤またはステロイド薬)および生物学的製剤(TNF阻害薬、ベドリズマブ)で効果不十分もしくは忍容性不良であった、成人の中等症から重症の活動期クローン病の患者さんを対象に、トレムフィア®の安全性及び有効性を評価する、非盲検、多施設共同、第III相試験4です。

 

クローン病について

クローン病は炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つです。クローン病は、国の指定難病9であり、日本には約7万人の患者さんがいると推定10されています。クローン病は原因不明の消化管の慢性炎症性疾患ですが、免疫系の異常に関連している可能性があり、遺伝的素因、食事又はその他の環境要因によって引き起こされることがあります11。クローン病の症状はさまざまですが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などがあります。現在、クローン病を根治する治療法はありません12

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について

Johnson & Johnsonが開発したトレムフィア®は、IL-23を阻害すると同時に、IL-23のp19サブユニット及び炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体2です。IL-23は、炎症性疾患の発症に関与する重要な因子の1つです。二重作用に関するデータは、グセルクマブが炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合することを示すin vitro試験に限られており、臨床的意義は現時点では明らかではありません13,14,15,16

 

トレムフィア®は、2017年7月に米国で成人の中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認され、2020年7月に成人の乾癬性関節炎の治療薬としても承認5されました。また、欧州では、全身療法の候補となる、中等症から重症の尋常性乾癬及び疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分又は不耐容の成人患者さんの乾癬性関節炎の治療薬として承認17されています。

 

Johnson & Johnsonは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。

 

Johnson & Johnson について

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. Panaccione, R et al. Efficacy and safety of guselkumab therapy in patients with moderately to severely active Crohn’s disease: results of the GALAXI 2 & 3 Phase 3 studies. Oral presentation (Abstract #1057b) at Digestive Disease Week (DDW) 2024. May 2024.
  2. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A study of guselkumab subcutaneous therapy in participants with moderately to severely active Crohn’s disease (GRAVITI). Identifier: NCT05197049. Available at: https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05197049. Accessed June 2024.
  3. Data on file. Guselkumab. Clinical study report CNTO1959CRD3004 (GRAVITI).
  4. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease. Identifier: NCT04397263. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04397263?cond=Crohn%27s%20Disease&te.... Accessed July 2024.
  5. US Food and Drug Administration. TREMFYA® prescribing information. Available at: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/761061s007lbl.pdf. Accessed June 2024.
  6. Schinocca, C. et al. Role of the IL-23/IL-17 pathway in rheumatic diseases: an overview. Frontiers in immunology. 2021 Feb 22;12:321. Available at: https://doi.org/10.3389/fimmu.2021.637829. Accessed June 2024.
  7. トレムフィア®添付文書
  8. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A study of the efficacy and safety of guselkumab in participants with moderately to severely active Crohn’s disease (GALAXI). Identifier: NCT03466411. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03466411. Accessed June 2024.
  9. 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/81, Accessed July 2024.
  10. 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)(2020).クローン病の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識第4 版. 厚生労働省科学研究費補助 難治性疾患政策研究事業
  11. Crohn's & Colitis Foundation. What is Crohn's disease? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/causes. Accessed July 2024.
  12. Crohn's & Colitis Foundation. Signs and symptoms of Crohn's disease. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/symptoms Accessed July 2024.
  13. Mehta H, et al. Differential changes in inflammatory mononuclear phagocyte and T-Cell profiles within psoriatic skin during treatment with guselkumab vs. secukinumab. J Invest Dermatol 2021;141(7):1707-1718. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33524368/. Accessed June 2024.
  14. Wang Y, et al. Monocytes/Macrophages play a pathogenic role in IL-23 mediated psoriasis-like skin inflammation. Sci Rep. 2019;9(1):5310. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30926837/. Accessed June 2024.
  15. Matt P, et al. Up-regulation of CD64-expressing monocytes with impaired FcγR function reflects disease activity in polyarticular psoriatic arthritis. Scand J Rheumatol 2015; 44(6):464-473. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26084203/. Accessed June 2024.
  16. McGonagle D, et al. Guselkumab, an IL-23p19 subunit–specific monoclonal antibody, binds CD64+ myeloid cells and potently neutralises IL-23 produced from the same cells. Presented at EULAR 2023, May 31-June 3.
  17. European Commission: Tremfya (guselkumab). Available at: https://ec.europa.eu/health/documents/community-register/html/h1234.htm . Accessed July 2024.