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活動性関節症性乾癬における1年間の有効性および安全性に関するステラーラ®の第Ⅲ相試験結果をTHE LANCET誌に発表

公開日: 
2013/07/08

2013/07/08

ご参考資料:
当資料は、ヤンセンが、2013年6月13日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆さまのご参考に供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。
英文サイト:
http://www.jnj.com/news/product/STELARA-Phase-3-Study-Published-In-The-Lancet-Reports-One-Year-Efficacy-And-Safety-In-Treatment-Of-Active-Psoriatic-Arthritis

  

 IL-12/23阻害薬ステラーラ®による関節症性乾癬の関節、軟部組織、皮膚症状の改善を示唆

 

 ペンシルベニア州スプリング・ハウス、2013年6月13日 — ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社(以下「ヤンセン」)による第Ⅲ相試験の結果が、The Lancet 誌で発表され、活動性関節症性乾癬の患者においてステラーラ®(ウステキヌマブ)45mgまたは90mgを投与された患者群がプラセボを投与された患者群に対し、主要評価項目の評価時に関節症状が有意に改善されていたことが示されました。さらに、本試験の結果から、ステラーラ®12週間毎の継続投与により、1年間にわたり活動性疾患の徴候および症状や乾癬症状の改善が維持することが確認されました。2012年12月、ヤンセンは米国および欧州においてインターロイキン(IL)12/IL-23阻害薬ステラーラ®の関節症性乾癬への適応追加の承認申請を行いました。ステラーラ®は、成人における中等症から重症の尋常性乾癬治療薬として、これまでに72ヵ国で承認されています。

 

本試験の治験担当医師を務めたスコットランド・グラスゴー大学 感染症・免疫・炎症研究所 教授兼ディレクターのイアン・B・マッキネス博士(PhD,FRCP)は、「PSUMMIT I(第Ⅲ相試験)のデータは、ステラーラ®により関節症性乾癬の関節および皮膚症状が有意に改善し、治療を継続することによって大部分の患者が1年間にわたり症状の改善が維持されることが示されました。当局より承認を取得するまでは、ステラーラ®は臨床試験段階での関節症性乾癬の治療法となりますが、現在使用されている治療法とは異なる作用機序をもつ薬剤として将来的には重要な治療の選択肢の1つとなる可能性があります」と述べています。
*日本では、ステラーラ®は、2011年1月に「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬および関節症性乾癬」を効能・効果として承認されました

 

活動性関節症性乾癬患者対象のヒト型IL-12/23p40モノクローナル抗体ウステキヌマブ(ステラーラ®)の皮下投与に関する第Ⅲ相多施設共同プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験(PSUMMIT I)の導入期においては、ステラーラ®45mg群および90mg群、またはプラセボ群にランダムに割付け、第0週、第4週に投与した後、12週間隔で皮下投与を行いました。すべてのプラセボ投与群の患者は、第24週までにステラーラ®投与群に切替えられました。また第24週に主要評価項目であるACR20(米国リウマチ学会(ACR)基準による徴候および症状の20%以上の改善)の評価を行い、ステラーラ®45mgおよび90mgを投与された患者のそれぞれ42.4%および49.5%がACR20を達成したのに対し、プラセボ投与群では22.8%でした(両群ともにP < 0.0001)。第24週以降も徴候および症状の改善率は継続的に上昇し、第52週のACR 20達成率は、ステラーラ®45mg投与群では55.7%、90mg投与群では60.3%でした。

 

ステラーラ®による維持療法を受けた患者では、ACR 50(ACR基準に基づく徴候および症状の50%以上改善)およびACR 70(ACR基準に基づく徴候および症状の70%以上改善)の達成率も経時的に上昇しました。第24週にACR 50を達成した患者は、ステラーラ®45mgおよび90mg投与群でそれぞれ24.9%および27.9%であったのに対し、プラセボ投与群では8.7%でした(両群においてP < 0.0001)。第24週以降も徴候および症状の改善は継続的に上昇し、第52週にはステラーラ®45mg投与群の31.4%および90mg投与群の37%がACR 50を達成しました。第24週でACR 70を達成した患者は、ステラーラ®45mg投与群および90mg投与群でそれぞれ12.2%および14.2%であったのに対し、プラセボ投与群では2.4%でした(両群ともにP < 0.0001)。第52週のACR 70を達成した患者は、ステラーラ®45mg投与群で18%、90mg投与群で21.2%でした。

 

治験担当医師の報告によると、ステラーラ®治療群において、全試験期間を通じて身体機能および皮膚症状の改善が認められました。ステラーラ®を投与された患者の約半数が、ステラーラ®投与前のHAQ-DI(健康評価質問票を用いた機能障害指数)と比較し、第24週および第52週において臨床的に意義のある変化量を示しました。ベースラインの乾癬病変が体表面積の3%以上に及んでいた患者のうち、PASI (Psoriasis Area and Severity Index)による評価で乾癬症状が75%以上改善した(PASI 75)患者は、第24週にステラーラ®45mg投与群で57.2%、90mg投与群で62.4%だったのに対し、プラセボ投与群では11%と、ステラーラ®投与患者の方が有意に多く(両群ともにP < 0.0001)、第52週までにステラーラ®治療群では3分の2を超える患者がPASI 75を達成していました。

 

ベースラインにおいて付着部炎(腱または靱帯が骨と付着する部位の炎症、n=425)または指炎(手指または足指の炎症、n=286)が見られた患者のうち、ステラーラ®を投与された患者は、第24週および第52週において臨床的に意義のある改善を示しました。第24週の付着部炎スコアの改善割合(ステラーラ®45mg投与群の中央値42.9%、90mg投与群50%)および指炎スコアの改善割合(ステラーラ®45mg投与群の中央値75%、90mg投与群70.8%)は、プラセボ投与群よりも有意に高い改善を示しました(付着部炎の比較ではそれぞれP = 0.0019およびP < 0.0001、指炎では両群ともにP = 0.0003)。ステラーラ®45mg投与群および90mg投与群における付着部炎スコア改善率の中央値(83.3%および74.2%)および指炎スコア改善率の中央値(両群ともに100%)は、それぞれ第52週まで維持されました。

 

この試験ではプラセボ投与群において、第16週時点で効果が認められなかった患者の一部がステラーラ®45mgの投与群に変更されました。第16週までに1件以上の有害事象が報告された患者の割合は、ステラーラ®45mg投与群の40%および90mg投与群の43.6%に対し、プラセボ投与群では42%でした。第16週までに重篤な有害事象が1件以上報告された患者の割合は、ステラーラ®45mg投与群では2%、90mg投与群では1.5%、プラセボ投与群では2%でした。第52週までの安全性は、プラセボ対照期間中に観察された安全性と同様の傾向でした。悪性腫瘍、結核、日和見感染症および死亡は、第52週までの観察期間中には認められませんでした。プラセボ対照期間の終了後、ステラーラ®45mg投与群において既往の心血管イベントリスクを有する3例で主要心血管イベント(MACE)が報告されました。

 

 

 

PSUMMIT I試験について
PSUMMIT I試験は、成人の活動性関節症性乾癬患者615例を対象とするステラーラ®の有効性および安全性を検討した第Ⅲ相多施設共同プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験です。試験には、活動性関節症性乾癬と診断され、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)および/または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による治療にも関わらず圧痛関節が5箇所以上および腫脹関節が5箇所以上あり、C反応性タンパク質(CRP)値が0.3mg/dL以上(正常上限値[ULN]は1.0mg/dL)である患者が登録されました。また、抗TNFα製剤および/またはIL-12/23阻害薬による治療歴のない患者を対象としました。

 

患者は、ステラーラ®45mgまたはステラーラ®90mgを第0週、第4週に投与後、12週間隔で投与する群、もしくはプラセボ群の3群にランダムに割付けられました。第16週において圧痛関節数および腫脹関節数の改善が5%未満だった患者は、第24週における主要解析および副次的解析では無効例として解析されました。第16週時点で圧痛関節数および腫脹関節数の改善が5%未満の患者で、プラセボを投与されていた患者はステラーラ®45mgに、ステラーラ®45mgを投与されていた患者はステラーラ®90mgに切り替えられました。ステラーラ®90mgを投与されていた患者は、90mgが継続されました。主要評価項目は、第24週におけるACR 20の達成率でした。副次的評価項目は、第24週におけるACR 50およびACR 70達成率、疾患活動性スコア(DAS)28-CRPの反応、ベースラインの病変が体表面積の3%以上であった患者におけるPASI 75、付着部炎スコアおよび指炎スコアの改善、健康評価質問票を用いた機能障害指数(HAQ-DI)スコアの改善でした。

 

第24週以降は、ステラーラ®45mg投与群および90mg投与群の患者は12週間隔の投与が継続され、プラセボ投与群の患者はステラーラ®45mgに切り替えられ、導入療法(第24週および第28週)後、12週間隔の投与が実施されました。安全性および有効性の結果については、投与開始から第52週まで報告されました。

 

 

 

関節症性乾癬について
関節症性乾癬は、乾癬に伴う皮疹および関節炎を特徴とする慢性の免疫疾患で、患者数は世界全体で3700万人にのぼります1。乾癬患者における関節症性乾癬の推定有病率は様々ですが、関節炎を発症する患者は30%にのぼるとされています 。症状としては関節および関節周囲の疼痛やこわばり、腫脹が発現します。多くは30~50歳で発症しますが、どの年齢でも発症する可能性があります2。関節症性乾癬の明確な原因は不明ですが、遺伝的要因、免疫システム、環境因子が発症に関係すると考えられています2

 

 

 

ステラーラ®(ウステキヌマブ)について 
ステラーラ®は、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤で、2008年12月にカナダで承認された後、EUでは2009年1月、米国では2009年9月に承認され、現在、乾癬に係る適応症で世界72ヶ国にて承認されています。本邦においても、日本人乾癬患者を対象とした臨床試験において本剤の有効性・安全性が確認され、2011年1月に「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬および関節症性乾癬」を効能・効果として承認されました。

 

 

 
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社について
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社は、患者さんの苦しみを和らげ、いまだ満たされない重要な医療ニーズに応えるため、革新的な医薬品の発見と開発に取り組んでいます。ジョンソン・エンド・ジョンソングループの一員として、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社は、最大の医療ニーズを特定し、内外の最高レベルの科学を結集して、世界中の患者さんに役立つソリューションの発見に向け活動しています。世界有数の創薬・開発技術と卓越した経営力を活かし、腫瘍、免疫疾患、神経疾患、感染症・ワクチン、心血管系と代謝性疾患の分野において革新的かつ効果的な治療をお届けしています。詳しい情報は、http://www.janssenrnd.com/.を参照してください。

 

 

 

ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、神経疾患(中枢神経・疼痛)、感染症・ワクチン、代謝・循環器疾患が含まれます。患者への貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ヤンセンファーマシュ―ティカルグループのひとつです。

 

 

1 National Psoriasis Foundation 乾癬について:統計 www.psoriasis.org/learn_statistics. アクセス日2013年4月4日
2 National Psoriasis Foundation. 関節症性乾癬について www.psoriasis.org/psoriatic-arthritis. アクセス日2013年4月4日