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外用抗真菌剤「ニゾラール®ローション2%」の承認を取得 ~頭部の脂漏性皮膚炎に適用しやすいローション剤~

2003/03/27

ヤンセンファーマ株式会社(住所: 東京都品川区、社長: 関口 康)は、去る3月12日付で外用抗真菌剤「ニゾラール®ローション2%」(一般名:ケトコナゾール)の承認(剤型追加)を取得しました。

ニゾラール®ローション2%は、本邦ですでに1993年に承認を受けて発売しているニゾラール®クリームのローション剤で、効果・効能及び用法・用量はクリームと同一です。ニゾラール®は、脂漏性皮膚炎(*1)に対して、外用抗真菌剤のうち唯一保険適応が認められている薬剤で、脂漏性皮膚炎の原因の一つと考えられているマラセチア・フルフル(*2)に対する強い抗真菌作用があります。

脂漏性皮膚炎は、被髪頭部での発症が大半を占め、フケ症は、脂漏性皮膚炎の軽症型また前段階で多くみられる症状です。従来のニゾラール®クリームでは、毛髪に付着して適用しづらく、また、一般にクリーム剤はローション剤に比べて展延性が悪いため、被髪頭部に塗布するには不向きでした。乳剤性のローション剤は、この問題を解消し、べとつきも少ないため、被髪頭部に適用しやすくなっています。

海外では、ニゾラール®のシャンプー剤が、脂漏性皮膚炎・フケ症用シャンプーとして、50カ国以上で汎用されています。ローション剤は、日本で初めて承認され、7月に発売の予定です。 

以上

<製品概要>
 
薬効分類名     外用抗真菌剤

販売名           ニゾラール®ローション2% ( Nizoral®Lotion 2%)
 
一般名           ケトコナゾール

効果・効能      下記の皮膚真菌症の治療
                    1. 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
                     2. 皮膚カンジダ症:指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)
                    3. 癜風
                    4. 脂漏性皮膚炎

成分・含量       1g中ケトコナゾール20mg含有(2%)

用法・用量       白癬、皮膚カンジダ症、癜風に対しては、1日1回患部に塗布する。
                    脂漏性皮膚炎に対しては、1日2回患部に塗布する。

*1) 脂漏性皮膚炎について
脂漏性皮膚炎とは、顔や頭など皮脂腺の多い場所(脂漏部位)に炎症をおこす病気です。男性ホルモンの分泌が盛んな、思春期から中年の男性に多く見られます。頭に発症する場合は、いわゆるフケ症のように、頭皮がカサブタのように剥がれ落ちたり、白く粉をふいたようになり、しばしば強い痒みを伴うことがあります。また、顔に発症した場合の症状は、鼻の回りや眉間のあたりに輪郭がはっきりした赤みがあらわれ、そこに白色~ごく淡い黄色っぽいフケのようなもの(鱗屑)が付着するのが特徴です。脂漏性皮膚炎の原因としては、皮脂腺の機能異常、ビタミン代謝異常、脂質代謝異常、内分泌異常、真菌、気温・湿度、体質など様々な要素が複雑に関与しているといわれていますが、最近では、皮膚の常在性のカビ(真菌)の1つであるマラセチア・フルフルの関与が注目されています。これは、真菌の菌体成分が皮膚組織に取り込まれ、その刺激により皮膚組織に炎症が生じ、取り込まれた菌体成分を排除すべく表皮のターンオーバーが非常に早まって、鱗屑や落屑といった症状があらわれる病態と考えられています。

*2) マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)について
正常な皮膚に存在し、皮脂を好む常在菌で、カビ(真菌)の一種です。大きさは2.5×3.5μmで球形またはタマゴ型の形状をしています。皮脂の多い頭や顔、胸、背中および生毛部などに生存しています。