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がん疼痛治療剤「デュロテップ®MTパッチ」の承認を取得

公開日: 
2008/03/26

米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(東京都千代田区、社長:関口 康)は、去る3月19日付で“中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛”を適応症とする、経皮吸収型持続性癌疼痛治療剤「デュロテップ® MTパッチ」(一般名:フェンタニル)の製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。
「デュロテップ® MTパッチ」は、痛みをやわらげる成分(フェンタニル)が皮膚を通して少しずつ体内に浸透し、1回の貼付で痛みをやわらげる効果が3日間持続する「デュロテップ® パッチ」(2002年3月発売、以下リザーバー製剤)の改良製剤です。

 

本剤は、薬物貯蔵層中に有効成分フェンタニルを含むゲルが封入されているリザーバー製剤とは異なり、フェンタニルを粘着層に溶解させた薄い半透明フィルム状の経皮吸収型製剤(以下、マトリックス製剤)です。マトリックス製剤では、誤って製剤を切断した際も薬液が流出する懸念がないため、安全性の向上が期待できるだけでなく、その薄くてしなやかな製剤形状によって貼り心地の向上も図られています。

 

また、リザーバー製剤では、モルヒネ製剤以外のオピオイド鎮痛剤からの切り替え使用が出来ないこと、最小規格が2.5mg(25μg/hr)であることから用量の調節が制限されること等が課題でしたが、マトリックス製剤の開発を機に、モルヒネ製剤以外のオピオイドからの切り替えを行えるようにしたこと、最小用量として2.1mg(12.5μg/hr)の新規格製剤を追加したこと等により、患者さんの状況に応じた投与薬剤のより柔軟な選択と細かい用量調節を行うことが可能となりました。

 

「デュロテップ® MTパッチ」の主たる特長は次の通りです。

 

1. フェンタニルを粘着層に溶解させた半透明フィルム状の経皮吸収型製剤です。
2 .最小規格として現行リザーバー製剤最小用量2.5mg(25μg/hr)の半量に相当する製剤2.1mg(12.5μg/hr)が追加され、用量調整がしやすくなりました。
3. モルヒネ製剤以外のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用することが出来るようになりました。

 

本剤は癌性疼痛を含む慢性疼痛の治療剤として、イギリス、ドイツ等の欧州諸国を始めとする世界39ヵ国で承認されています。(2007年5月時点)

 

当社は本剤を薬価収載後、速やかに発売する予定です。

 

[デュロテップ® MTパッチの概要]

【承認取得日】 
 2008年3月19日
【承認区分】 
 新剤型医薬品
【製造販売】 
 ヤンセン ファーマ株式会社
【販売名】 
 デュロテップ®MTパッチ2.1mg
 デュロテップ®MTパッチ4.2mg
 デュロテップ®MTパッチ8.4mg
 デュロテップ®MTパッチ12.6mg
 デュロテップ®MTパッチ16.8mg
【一般名】 
 フェンタニル
【薬効分類】 
 経皮吸収型 持続性癌疼痛治療剤
【効能・効果】 
 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
【用法・用量】 
本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用する。初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、2.1mg(12.5µg/hr)、4.2mg(25µg/hr)、8.4mg(50µg/hr)、12.6mg(75µg/hr)のいずれかの用量を選択する。その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
【組成・形状】 
本剤は、フェンタニルをアクリル酸2-エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸2-ヒドロキシエチルコポリマーに溶解、固化し、成形した半透明で角が丸い長方形の経皮吸収型製剤である。本剤には、含量の異なる5製剤があり、単位面積あたりの放出速度はいずれも同一である。