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抗HIV薬「プリジスタナイーブ®錠」を新発売 ~治療経験のないHIV感染患者さんに新たな治療選択肢~

2009/09/18

米ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)グループの医療用医薬品日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ)は、本日、HIV感染症に適応を有する抗ウイルス化学療法剤「プリジスタナイーブ®錠400mg」(一般名:ダルナビル エタノール付加物、以下「プリジスタナイーブ®錠」)を新発売しましたのでお知らせします。

 

「プリジスタナイーブ®錠」はJ&J傘下の米ティボテック社(Tibotec Pharmaceuticals Ltd.)により開発された新規プロテアーゼ阻害剤(PI)です。本剤は既治療の患者さんを対象とした「プリジスタ®錠300mg」(発売済)とは異なり、抗HIV薬による治療経験のない未治療のHIV感染患者さんを対象とした薬剤です。

「プリジスタ®錠300mg」は多剤耐性HIVに効果を示す新しい抗HIV薬として米国FDA、欧州EMEAの早期承認制度の適用を受け、2006年6月に米国、2007年2月には英国を含む欧州において既治療の患者さんに対する薬剤として承認され、わが国においては、2007年1月に希少疾病用医薬品指定を受け、同年11月に承認を取得しました。

 

その後、未治療患者を対象とした海外第III相比較試験の結果によって、「プリジスタナイーブ®錠」は治療経験のないHIV感染患者さんに対する薬剤として、米国で2008年10月に承認を取得し、わが国においても、本年8月に承認を取得するに至りました。「プリジスタナイーブ®錠」は本年7月時点、米独はじめ、世界34の国又は地域で承認されています。

 

一般にプロテアーゼはHIVの増殖に必要とされるたん白分解酵素であり、感染性を有する成熟ウイルスの形成に不可欠なたん白質を、正しい部位で切断する、いわば“はさみ”のような機能を担っているとされます。PIはこの酵素に付着して、この“はさみ”を切れなくすることで、結果として薬効を得ていると考えられます。従来のPIはプロテアーゼの成分であるアミノ酸の端(側鎖)に結合するため、アミノ酸が変異すると薬効が得られなくなってしまう弱点がありました。これに対し、本剤はアミノ酸が変異しても影響のないプロテアーゼの主要なアミノ酸部位(主鎖)に作用するため、耐性ができにくいという特性を有します。これによって、「プリジスタナイーブ®錠」は今日のHIV治療の課題とされる、薬剤耐性ウイルス発現の阻止に対して有用性が期待される薬剤です。

 

ヤンセンファーマは、本剤の発売が抗HIV薬未治療の患者さんや多くの医療者にとって、より効果的かつ新たな治療選択肢の提供となることを期待しております。

 

≪「プリジスタナイーブ®錠」の特性≫

    1.  HIV-1プロテアーゼに高い親和性を有する、プロテアーゼ阻害剤です。

    2.  野生型HIV及び他のHIVプロテアーゼ阻害剤耐性ウイルスに対して、抗ウイルス活性を示しました(in vitro)。

    3.  海 外で実施された抗HIV薬の治療経験がないHIV感染症患者を対象とした臨床試験において、本剤(ダルナビル)/リトナビル群は投与96週の時点で、 HIV RNA量が<50コピー/mL(ウイルス量の検出限界以下)の患者割合は79.0%の有効性を示しました。(承認時)

    4.  海 外臨床試験においてダルナビルが投与された3,063例について安全性評価を行ったところ、副作用(臨床検査値異常を含む)は65.9% (2,017/3,063例)に認められました。主な副作用は、下痢(23.7%)、悪心(14.9%)、頭痛(13.8%)、発疹(10.3%)でし た。(承認時)

 

製品概要
【販売名】プリジスタナイーブ®錠400mg  【一般名】ダルナビル エタノール付加物  【承認日】2009年8月20日  【薬価収載日】2009年9月 3日  【発売日】2009年9月17日  【効能・効果】HIV感染症  【用法・用量】通常、成人にはダルナビルとして1回800mgとリトナビル1回100mgをそれぞれ1日1回食事中又は食直後に併用投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。