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ヤンセンファーマ、抗悪性腫瘍剤「ドキシル®」で臨床研究助成契約を締結

2009/11/21

  ヤンセンファーマ株式会社(東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ)は、抗悪性腫瘍剤「ドキシル®注20mg」(一般名:ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤)について、慶應義塾大学との間で、他剤との併用療法に関する臨床研究助成契約書を締結しました。

 

  「ドキシル®注20mg」(以下、ドキシル®)は、本邦においては2007年1月に「エイズ関連カポジ肉腫」に対する適応を取得して発売を開始、また2009年4月に、「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」の追加効能で承認を取得しています。

  日本においては、ドキシル®単剤による治療法として治験が行なわれたため、他剤との併用療法についての安全性および有効性は確立されていません。一方、海外の研究では近年、ドキシル®とカルボプラチンの併用療法*)による良好な有効性が確認され、本年開催されたASCO(American Society of Clinical Oncologyアメリカ臨床腫瘍学会)でもその成果が発表されました。

  この研究結果をふまえ、慶應義塾大学と連携している臨床研究グループは海外併用療法が日本人患者にも適用出来るかどうかを検討する目的で「再発卵巣癌に対するドキシル®とカルボプラチン併用療法に関する第II相試験」の臨床研究を企画し、製造販売企業であるヤンセンファーマに提案したことから、今回の契約にいたったものです。

  なお、今回の支援形態は、優れた研究を支援し、かつ利益相反の管理を十分に行うために、臨床研究助成契約書の締結に基づくもので、従来製薬企業が提供してきた寄付金に依る支援ではない初めてのものです。ヤンセンファーマは慶應義塾大学クリニカルリサーチセンターを研究グループの窓口として適切な契約内容・資金管理・研究計画を検討し、同センターで試験の運営・データ管理を行う体制を整えて、今回の契約締結に至りました。

 

  ヤンセンファーマでは、本研究によりドキシル®の再発卵巣癌に対する併用療法に関する日本人のエビデンスが構築され、再発卵巣癌に苦しむ患者さんと診療に携わる医師に貢献できることを期待しております。また、こうした研究への適切な支援を通して、ヤンセンファーマは今後とも医学に資する科学技術の振興に役立ちたいと考えています。

 

*)ドキシル®と他の抗悪性腫瘍剤との併用は副作用が相互に増強されるため併用注意となっています。