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アルツハイマー型認知症治療剤「レミニール®」製造販売承認取得のお知らせ

公開日: 
2011/01/22

米国ジョンソン・エンド・ジョンソンのグループ企業の日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ、以下「ヤンセンファーマ」)は、本日、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を適応症とするアルツハイマー型認知症治療剤「レミニール®」(Reminyl®, 一般名: ガランタミン臭化水素酸塩)の製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。

 

 「レミニール®」の有効成分であるガランタミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用により脳内アセチルコリン濃度を上昇させるとともに、従来の薬剤にはない特徴として、ニコチン性アセチルコリン受容体に対するアロステリック増強作用)を有しています。「レミニール®」はこれらの薬理作用により、アルツハイマー型認知症で低下しているコリン機能を賦活化し、認知症症状の進行を抑制します。 

 

 本剤はヤンセンファーマスーティカN.V.社とシナプテック社(Synaptec Inc.)とのライセンス契約のもと、ジョンソン・エンド・ジョンソン・ファーマシューティカル・リサーチ・アンド・デベロプメントとシャイア社(Shire plc)との間で共同開発されました。欧州で2000年に承認されて以降、2010年4月現在「軽度から中等度のアルツハイマー型認知症」の治療剤として、米国、フランス、英国、ドイツを含む、 73の国と地域で承認されています。本邦においてはヤンセンファーマが、臨床試験を実施し、製造販売承認を取得いたしました。本剤の薬価収載後、ヤンセンファーマと武田薬品工業株式会社(本社:大阪市、社長:長谷川 閑史)による速やかな発売と共同販売活動を行っていく予定です。

 

 アルツハイマー型認知症は進行性の疾患であり、患者さんご本人のみならず、ご家族をはじめとする介護者にも大きな負担を強いることが知られています。今回の承認に際し、ヤンセンファーマ社長のトゥーン・オーヴェルステンズは、以下のように述べています。「レミニール®の承認により、アルツハイマー型認知症に対する新たな治療選択肢を今後提供できることをたいへん喜ばしく思います。レミニール®を通じて、患者さんのQOL の維持やご家族の介護負担の軽減に寄与できるものと、確信しております。ヤンセンファーマは武田薬品工業と連携して、医療従事者と患者さんが治療に対する可能性を拡げられるようお手伝いできればと思っております。ヤンセンファーマでは、今後も引き続き、いまだ満たされない医療ニーズを満たすべく新薬開発に精力的に取り組んでまいります」

 

 レミニール®は錠剤に加え、口腔内崩壊錠及び内用液の3種類の製剤があり、患者さんや介護者の方のご要望や生活スタイルに応じて適切な剤形を選択いただくことが可能です。

 

※) ガランタミンによるアロステリック増強作用について:
ガランタミンはニコチン性アセチルコリン受容体のアセチルコリン結合部位とは異なる部位(アロステリック部位)に結合して受容体の感受性を亢進し、受容体におけるシグナル伝達を増強させるとともに、神経伝達物質の放出を促進します。

 

 

<レミニール®の製品概要>

 

【承認取得日】
2011年1月21日

 

【承認区分】
新有効成分含有医薬品

 

【製造販売】
ヤンセンファーマ株式会社

 

【販売名】
レミニール®錠4mg、レミニール®錠8mg、レミニール®錠12mg
レミニール®OD錠4mg、レミニール®OD錠8mg、レミニール®OD錠12mg,
レミニール®内用液4mg/mL

 

【一般名】
ガランタミン臭化水素酸塩

 

【薬効分類】
アルツハイマー型認知症治療剤

 

【効能・効果】
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
(1)アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
(2)本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
(3) アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、本剤の有効性は確認されていない。

 

【用法・用量】
通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、 4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。

 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
(1)1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、4週間を超えて使用しないこと。
(2)中等度以上の肝障害患者では、4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量する。ただし、1日16mgを超えないこと。
[添付文書の「薬物動態」の項参照]
注)Child-Pugh 分類を肝機能の指標とした中等度(B)の肝障害患者
(3)副作用を軽減するため、食後に投与することが望ましい。
(4)医療従事者、家族等の管理のもとで投与すること。
< OD錠 >
本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能である。また、本剤は口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。

 

 

将来についての声明

このプレスリリースには米国で1995年私募証券訴訟改革法において定義されている「将来についての声明」が含まれています。こうした声明は将来の事象についての現在の予想を基礎とするものです。もし基礎的な前提が不正確であったり、未知のリスクや不確実性が具現化すれば、実際の結果は、ヤンセンファーマおよびジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しから実質的に隔たりのあるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には次のようなものが含まれます。産業において一般的な条件や競争、利子や為替の変動などの経済条件、技術的な進歩や競合他社による特許の取得、規制当局による承認の取得や国内外の医療改革、政府の法律や規制など新製品の開発に本来伴う諸課題、および医療費削減への潮流などです。こうしたリスクや不確実性などの要因については、2010年1月3日に終了した会計年度のForm 10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書に詳述されています。このForm 10-Kおよび追加提出資料は次のサイトで閲覧できます。www.sec.govwww.jnj.com。 もしくはジョンソン・エンド・ジョンソンにご請求ください。ヤンセンファーマもジョンソン・エンド・ジョンソンも新情報や今後の事象・変化などに基づいて将来についての声明を更新する義務を負いません。