Skip to main content

ベルケイド®、適応拡大 未治療の多発性骨髄腫に本剤が適応可能に

公開日: 
2011/09/16

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ、以下、「ヤンセンファーマ」)は、抗悪性腫瘍剤「ベルケイド®注射用3mg」(以下、「ベルケイド®」、一般名:ボルテゾミブ)に対する医薬品製造販売承認事項一部変更の承認を取得し、「未治療の多発性骨髄腫」に対する効能・効果、用法・用量の追加により、効能・効果を「多発性骨髄腫*)」に変更することをお知らせいたします。

 

本剤は、日本ではヤンセンファーマが、2003年12月に希少疾病用医薬品の指定を受け、臨床試験を開始し、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の治療薬として開発、2006年10月に製造販売承認を取得し、同年12月より発売しております。なお、昨年7月より、武田薬品工業株式会社(本社:大阪市、社長:長谷川 閑史、以下「武田薬品」)との間で日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結し、共同販促をしております。

 

ボルテゾミブは、強力、可逆的かつ選択的なプロテアソーム阻害剤であり、世界初の本作用機序を有する抗悪性腫瘍剤です。プロテアソームは細胞内に存在する酵素複合体で、細胞周期制御因子、シグナル伝達因子、転写因子、癌遺伝子及び癌抑制遺伝子などの分解を担うことにより、細胞の増殖、分化及びアポトーシスを制御しています。本剤は、プロテアソームを選択的に阻害することで、癌細胞の複数の細胞内シグナル伝達系に影響を与え、細胞周期の停止、増殖抑制、血管新生抑制、アポトーシス誘導など腫瘍細胞に対して直接的な抗腫瘍効果を発揮します。

 

海外臨床試験の結果から、VMP(ベルケイド+メルファラン+プレドニゾロン/海外プレドニゾン)療法は、従来の標準治療【MP療法】と比べ、効果発現が早く、高い有効性(CR:完全奏効+PR:部分奏効)を示し、生存期間を延長し、死亡リスクを35%軽減することが報告されております。
ベルケイド®は、欧米では2008年に、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」のみならず「未治療の多発性骨髄腫」にも使用可能となっており、日本においても「多発性骨髄腫」へ変更になることで、より幅広く多発性骨髄腫治療に貢献できるものと考えております。

 

(参考文献)
-J. F. San Miguel, et al: New England Journal of Medicine, 359(9), 906-917, 2008
-M-V. Mateos, et al: Journal of Clinical Oncology, 28(13), 2259-2266, 2010

 

以上

 

我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、中枢神経疾患、疼痛、感染症、代謝疾患が含まれます。患者さんへの貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ヤンセンファーマシューティカル・グループのひとつです

 

 

*) 多発性骨髄腫とは:
多発性骨髄腫(MM)は血液の悪性腫瘍の一つで、腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞)が異常な免疫グロブリンを産生するため、様々な症状を引き起こす疾患です。この疾患は高齢者に多く発症します。MMを発症すると、免疫力が低下して感染症を誘発したり、腎障害をきたしたり、腫瘍細胞が産生する破骨細胞活性化因子のために骨の破壊を伴い、骨折や高カルシウム血症をきたすといった症状が現れます。日本では約13,000人の患者さんがおられます(厚生労働省 平成20年度 調査)。

 

  

「ベルケイド®」の安全性に関する情報:
国内臨床試験において、主な副作用として、リンパ球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、食欲不振、下痢、発疹、便秘、悪心、LDH増加、CRP増加、発熱、体重減少、末梢性ニューロパシー、低ナトリウム血症、Al-P増加、倦怠感、嘔吐、肝機能異常、高血糖、高カリウム血症が報告されています。