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第53回米国血液学会年次総会にてベルケイド®の有効性を示す証拠となる新たなデータを発表

2011/12/12

未治療の多発性骨髄腫患者にベルケイド®(ボルテゾミブ)を投与し、5年間にわたる追跡調査を行ったランドマーク試験のデータを発表予定

 

ご参考資料:
当資料は、ヤンセン・シラグ・インターナショナルNVが、2011年12月9日(現地時間)に発表した英文プレスリリース抜粋を翻訳版として報道関係者の皆様にご提供させていただくものです。従いまして、日本の状況を必ずしも反映したものではないことと、正式言語が英語であるため、内容については英文リリースが優先されます。

 

ベルギー・ベーアセ [12月9日現地時間] 
ヤンセン・シラグ・インターナショナルNVは、2011年12月10日から13日まで米国サンディエゴで開催される今年の米国血液学会(ASH)年次総会において、上市されている治療薬ベルケイド®に関わる演題を発表することになりましたので、お知らせいたします。
 

ベルケイド®は、未治療の多発性骨髄腫(MM)の患者を対象としたVISTA試験において5年間にわたり全生存期間の追跡調査を行った結果、きわめて高い有効性を示しました。また、MMの地固め療法および維持療法、再発・難治性のMM、皮下注射による投与方法、非ホジキンリンパ腫においてもベルケイド併用のデータが発表される予定です。
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント、がん領域のグローバル研究開発部門長のウィリアム・N・ハイト(William N. Hait)M.D., Ph.Dは、次のようなコメントを寄せています。「ベルケイド®によってもたらされるさまざまな患者群、服用方法、腫瘍のタイプにおいて、ベネフィットを証明するエビデンスを発表できることをとてもうれしく思います。ASHでの新しいデータの発表は、ベルケイド®を引き続き主力製品としてとらえていることと、今後もさらなる適応拡大のために現在行っている研究開発に注力していく当社の決意のあらわられだととらえています。

ASHにおけるベルケイド®についての注目すべき発表内容は次のとおりです。

 

未治療の多発性骨髄腫の患者を対象に行った5年間の追跡調査により、ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾン(VMP)療法は、メルファラン+プレドニゾン(MP)療法よりも全生存期間の延長効果が高く、二次発がんのリスクが上昇しないことを確認:第3相VISTA試験の最終結果
ジーザス・F・サンミゲル(Jesús F. San Miguel)ほか
VMP療法は、MP療法よりも、全生存期間(OS)の延長効果が有意に高いという結果が出ました(OS中間値はMPが3.6年[43.1ヶ月]であるのに対し、VMPが約5年[56.4ヶ月]で、VMPの方が13.3ヶ月長い)。これは、全ての患者層にわたり、後治療内容に関係なく認められました。
 

再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)の患者を対象とした試験で、ボルテゾミブ+リツキシマブを投与した場合に、リツキシマブのみを投与した場合よりも高い無増悪生存期間(PFS)延長効果を示す患者群を確認:第3相 LYM3001試験バイオマーカー解析
ベルトラン・コワフィエ(Bertrand Coiffier)ほか
第3相LYM3001試験の解析により、ボルテゾミブ+リツキシマブを投与した場合に、リツキシマブのみを投与した場合よりも無増悪生存期間が有意に改善され(中央値は14.2ヶ月vs. 8.4ヶ月、p=0.0003)、より高い全生存期間延長効果(HR 0.44, p=0.1291)を示したバイオマーカーの組み合わせを患者の3分の1で確認しました。

 

ボルテゾミブによる治療とその他の治療を受けた高齢の多発性骨髄腫患者の二次発がん:米国SEER-メディケア・データベースの分析
ダイナ・ギフキンズ(Dina Gifkins)ほか
9,000人以上の高齢のMM患者を対象とした調査で、ボルテゾミブの投与記録のない患者群(4.5%)よりも、ボルテゾミブを投与した患者群(1.4%)の方が二次発がんの発生率が低いという結果が出ました。

 

 

ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、中枢神経疾患、疼痛、感染症、代謝疾患が含まれます。患者さんへの貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ヤンセンファーマシューティカル・グループのひとつです。
 

 

【補足資料】
ベルケイド®(ボルテゾミブ)について

ベルケイド®(ボルテゾミブ)は、多発性骨髄腫と呼ばれる血液のがんに使用される薬です。有効成分ボルテゾミブを含有しており、プロテアソーム阻害剤と呼ばれる新規薬剤の第1号です。プロテアソームは、すべての細胞に存在し、細胞機能、細胞増殖、細胞間相互作用の制御に重要な役割を果たしています。ボルテゾミブは、細胞のプロテアソームの通常の働きを可逆的に阻害し、骨髄腫のがん細胞の成長を止め、死に至らせます。

ベルケイド®は、欧州連合において、大量化学療法や骨髄移植ができない未治療(すなわちフロントライン)の多発性骨髄腫患者に対するメルファランおよびプレドニゾンとの併用投与、過去に一回以上治療を受けたことがあって、骨髄移植を受けた、または骨髄移植に適さない進行性の多発性骨髄腫患者の治療での単剤投与の承認を受けています。 
*日本では、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」および「未治療の多発性骨髄腫」治療における承認を取得しています。

ベルケイド®は、世界で30万人以上の多発性骨髄腫再発患者を治療してきたマーケットリーダーです。ベルケイド®は、ミレニアム・ファーマシューティカルズ社(Millennium Pharmaceuticals)とヤンセンファーマシューティカル社によって共同開発されました。ミレニアム社は米国におけるベルケイド販売を担当し、ヤンセンファーマシューティカル社は欧州およびその他の国々での販売を担当しています。武田薬品工業とヤンセンファーマ株式会社は、日本国内におけるベルケイドのコ・プロモーション契約を結んでいます。

 

「ベルケイド®」(ボルテゾミブ)の安全性に関する情報:
日本国内臨床試験において、主な副作用として、リンパ球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、食欲不振、下痢、発疹、便秘、悪心、LDH増加、CRP増加、発熱、体重減少、末梢性ニューロパシー、低ナトリウム血症、Al-P増加、倦怠感、嘔吐、肝機能異常、高血糖、高カリウム血症が報告されています。

 

多発性骨髄腫とは:
多発性骨髄腫(MM)は血液の悪性腫瘍の一つで、腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞)が異常な免疫グロブリンを産生するため、様々な症状を引き起こす疾患です。この疾患は高齢者に多く発症します。MMを発症すると、免疫力が低下して感染症を誘発したり、腎障害をきたしたり、腫瘍細胞が産生する破骨細胞活性化因子のために骨の破壊を伴い、骨折や高カルシウム血症をきたすといった症状が現れます。日本での患者数は、約13,000人にのぼります(厚生労働省 平成20年度 調査) 

 
 
編集者への注記:
• 多発性骨髄腫(MM)は、二番目に多い血液のがんで、がん全体の約1パーセント、全がん死亡の約2パーセントを占めています。
• 2002年には、世界におけるMMの症例数は約85,700症例でした。
• MM患者のうち、5年以上生存するのは30パーセントにすぎず、欧州連合内では毎年18,000人以上がこの病気により死亡しています。3,4 
• p値(有意確率)とは統計用語で、治験中に患者群間に生じた差異が偶然により発生した確率を算出したものです。たとえば、p値が0.01(p=0.01)である場合は、生じた結果が偶然によるものだった確率が100分の1だということです。p値が低ければ低いほど、患者群間の差異は治療により生じたものである可能性が高くなります。
 

 www.multiplemyeloma.org.
 GLOBOCAN 2002, www-dep.iarc.fr.
 Brenner H. Lancet 2002; 360:1131-1135.
 GLOBOCAN 2002, www-dep.iarc.fr.この患者母集団の多くが、進行性疾患と予後不良因子を持っていた。
 National Cancer Institute. NCI Dictionary of Cancer Terms: P-value. www.cancer.gov/dictionary.  2007年11月20日アクセス。