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ジョンソン・エンド・ジョンソン、エボラワクチンの第I相臨床試験開始を発表

2015/01/21

2015年4月までに大規模臨床試験使用のため40万回以上のワクチンを生産
 

* 当資料は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが2015年1月6日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳(要約)したものを、参考資料として発表させていただくものです。従いまして、必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。
また、正式言語が英語であるため、内容につきましては英文リリースが優先されます。
英文サイト:http://www.jnj.com/news/all/Johnson-Johnson-Announces-Start-of-Phase-1-Clinical-Trial-of-Ebola-Vaccine-Regimen

 米国・ニュージャージー州ニューブランズウィック(2015年1月6日):ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)は本日、医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカル(以下、ヤンセン)で開発中のエボラ出血熱予防ワクチンの第I相ヒト初回投与試験の開始を発表しました。試験はオックスフォード大学小児科のオックスフォードワクチングループがリードしています。現在被験者の登録が進行中で、最初の被験者に対する初回のワクチンが投与されました。登録は1月末までに完了する見込みです。

またJ&Jは、ヤンセンがBavarian Nordic社との提携により、2015年4月までに大規模臨床試験で使用する40万回分以上のプライムブーストワクチンを生産したことを発表しました。今後2015年中に合計200万回分のワクチンが提供可能となり、また必要に応じて12~18カ月間で最大500万回分までの迅速な増産が可能となります。今回発表した増産の見通しは、2015年末までに100万回分以上を生産し、そのうち25万回分を2015年5月までに臨床試験で幅広く活用する予定としていた以前の発表に代わる最新情報となります。

 
J&Jのアレックス・ゴースキー会長兼CEOは「西アフリカでは、依然として多くの患者さんやその家族、医療従事者がエボラ出血熱に苦しんでいます。グローバル・ヘルスケアのリーディングカンパニーとして、我々には速やかに行動する責任があります。」と述べています。

 

ロンドン大学衛生・熱帯医学部門が世界保健機関(WHO)へ提供した予測モデルによると、エボラ出血熱の流行を制御するためには、最前線の医療従事者を守るために最低10万回分、流行3カ国の成人への大規模な予防接種のために最大1200万回分の予防ワクチンが必要であると示されました。

 

J&J医薬品部門チーフサイエンティフィックオフィサー(CSO)兼ワールドワイド・チェアマンのポール・ストッフェルス医学博士は「1日たりとも無駄にできないため、我々はワクチンの生産を大幅に加速しています。我々の目標は、グローバルヘルス・コミュニティによる前例のない協力のもと、このワクチンを一刻も早く患者さんの家族や最前線の医療従事者に届けることです」と述べています。

 

第I相ヒト初回投与試験では、1回目の投与をプライム(初回免疫)に用い、2回目の投与をブースト(追加免疫)に用いるプライムブーストワクチンの安全性と忍容性を評価します。この投与法によって誘導される免疫反応についても長期的に評価します。72人の健康成人を対象に、ワクチン成分やプラセボを組み合わせた複数の投与方法の評価を行います。更に1月下旬から米国で、その直後にアフリカで臨床試験が開始される予定です。試験の詳細はClinicalTrials.gov (https://clinicaltrials.gov/)に掲載されています。

 

試験のリーダーを務めるオックスフォードワクチングループのマシュー・スネイプ博士は「我々はパートナーらの協力のもと、過去に類を見ないスピードでこの取り組みを大幅に加速させてきました。この試験を8週間以内に開始することが、エボラ出血熱に対するプライムブーストワクチンの迅速な開発に向けた大きな飛躍となります。そしてこの試験で得られた結果は、より幅広い被験者を対象とした今後の試験計画に欠かせないものとなるでしょう。」と述べています。

 

J&Jは2014年10月、医薬品部門であるヤンセンで開発中のエボラワクチン計画の加速と生産の大幅拡大に向けて最高2億ドルの投資を決定したと発表しました。J&Jは、政府機関・非政府機関の資金援助を求めることで、エボラワクチンの開発と臨床試験に伴うコスト面でのリスク分散を図っています。このワクチンは米国国立衛生研究所(NIH)との共同研究により見出されたもので、ヤンセンのグループ会社であるCrucell Holland B.V.社のAdVac®技術およびデンマークのバイオ企業Bavarian Nordic社のMVA-BN®技術に基づく2つのワクチンを組み合わせたプライムブーストワクチンとなります。

 

Crucell Holland B.V.社のワクチン開発プログラムは、NIHの一部門である米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)から直接助成および前臨床サービスを受けています(契約番号HHSN272200800056C、HHSN272201000006I、HHSN272201200003I)。NIHが実施したプライムブーストワクチンについての前臨床試験では、両方のワクチンを2カ月の間隔を置いて接種した場合、現在西アフリカで発生しているエボラ出血熱の原因ウイルスと酷似しているキクウィットザイール株に対して完全な予防効果が得られることが立証されました。エボラウイルスのザイール株を標的とする単価ワクチンに関する共同研究は、アデノウイルス26型(Ad26)およびアデノウイルス35型(Ad35)をワクチン抗原遺伝子のベクターとして、エボラウイルスやマールブルグウイルスなど、ヒトへの病原性を有するすべてのウイルス株に対する多価ワクチンについて現在進められている開発プログラムの一部となります。

 
J&Jは、ワクチンの臨床試験、開発、生産および流通において、WHO、NIAID、欧州委員会を始めとする関係機関や、政府、公共衛生担当機関および非政府組織と緊密な協力を続けています。

 

西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生でリベリア、シエラレオネ、ギニアの医療体制に多大な負担がかかっています。J&Jは、国際的な人道支援団体ダイレクト・リリーフ・インターナショナル(Direct Relief International)、パートナーズ・イン・ヘルス(Partners in Health)、アメリケアズ(AmeriCares)、イントラヘルス(IntraHealth)、プロジェクト・ホープ(Project HOPE)への支援を通じ、災害対応への取り組みを継続しています。また、米国疾病予防管理センターやWHOなどの公衆衛生担当機関によるエボラ出血熱発生に伴う差し迫ったニーズに対する世界一丸となった継続的対応も支援しています。さらに、看護師を支援する取り組みの一環として、米国のすべての看護師がエボラ出血熱に関する教材を利用できるようにするために、Nurse.comに奨学金を提供しました。

 

エボラワクチン製剤の第I相ヒト初回試験について
この試験では、被験者が4つのグループに登録され、実薬またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられます。実薬投与群は、登録された4つのグループ毎の投与計画に従い、1日目に初回接種(プライム)後、1カ月または2カ月の間隔をあけて追加接種(ブースト)を受けます。この試験の分析結果は、最適なワクチンの予防効果や効果持続期間を確認するために今後実施する試験における、2つのワクチンの投与順序や間隔などの判断に有益な情報となります。試験の詳細はClinicalTrials.gov (https://clinicaltrials.gov/)に掲載されています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンについて
「世界中の人々をケアすること」―これが私たちジョンソン・エンド・ジョンソンファミリーカンパニーの原点です。私たちは研究と科学を活用し、人々の健康増進とより幸せな生活を実現する革新的なアイデアや製品、サービスを提供します。270社余りのジョンソン・エンド・ジョンソン傘下企業で働く約12万6000人の社員が、ヘルスケア分野のパートナーと協力し、世界で毎日10億人余りの命に触れています。

Crucell Holland B.V.社について
クルーセル社はジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカルの一つで、感染症の予防や治療に使われるワクチンの研究開発、生産を中心としています。クルーセル社には幅広い開発パイプラインがあり、製品候補は独自のAdVac®やPER.C6®生産技術を基本としているものがあります。

 

ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、感染症・ワクチン、がん、免疫疾患、精神・神経科学、代謝・循環器疾患が含まれます。患者への貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中の人々を支援しています。

 

将来予測に関する記述
このプレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法の定義する「将来予測に関する記述」が含まれています。本リリースをお読みになる皆さまは、将来予測に関する記述内容に依存することのないようご注意ください。また、本記述は、将来の事象に関する現時点での予想を基礎としています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは未知のリスクや不確実性が具現化した場合、実際の結果がヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しとは実質的に異なるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には、利子や為替の変動などの経済的要因、技術的な進歩を含む競争、競合他社による新製品や特許の取得、規制当局による承認の取得を含む新製品の開発に本来伴う諸課題、特許に関する問題、医薬品やサービスの購入者の行動・消費パターンの変化や財政的困窮、政府の法律や規制の変更および国内外の医療改革、医療費削減の潮流を含む一般的業界動向および政府機関による医薬品業界への監督強化などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。これらのリスクや不確実性およびその他の要因については、2013年12月29日に終了した会計年度のForm 10-Kに記載されているジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書とその添付書類第99号および米国証券取引委員会への追加提出書類に詳述されています。これらの提出資料につきましては、インターネット(www.sec.govwww.jnj.com)でご覧いただくか、ジョンソン・エンド・ジョンソンにお問い合わせください。ヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンはいずれも、新情報や今後発生する事象および事態の進展があった場合も、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。