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未治療の「多発性骨髄腫」に対する 『ダラザレックス®』の適応追加承認を取得

公開日: 
2019/08/22

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は本日、ヒト抗CD38モノクローナル抗体『ダラザレックス®点滴静注100mg』および『ダラザレックス®点滴静注400mg』(以下、ダラザレックス®、一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)、以下ダラツムマブ)について、未治療を含む「多発性骨髄腫」の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。なお、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者に対し、ダラザレックス®とボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロンとの併用療法を対象とするものです。

 

国際共同第Ⅲ相試験(MMY3007試験、ALCYONE)1において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、DVMP群(ダラツムマブとボルテゾミブ、メルファラン及びprednisone*/プレドニゾロンとの併用療法)では未到達、VMP群(ボルテゾミブ、メルファラン及びprednisone*/プレドニゾロンとの併用療法)で17.9ヵ月(95%信頼区間:16.13~19.81)となり、統計学的に有意な延長を示しました(HR=0.51; 95%CI:0.39-0.67、p <0.0001)。

*国内未承認

 

副次評価項目においては、全奏効率(ORR)はDVMP群90.5%に対し、VMP群73.2%、完全寛解(CR)は、DVMP群25.5%に対し、VMP群17.8%、10-5での微小残存病変の陰性率は、DVMP群22%、VMP群6.4%、最良部分奏効は、DVMP群28.8%に対してVMP群24.2%を示しました。

 

国際共同第Ⅲ相試験において、333例中193例(58.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。主な副作用は、infusion reaction103例(30.9%)、好中球減少71例(21.3%)、血小板減少63例(18.9%)、貧血28例(8.4%)、呼吸困難24例(7.2%)等でした。DVMP群で新たな安全性の懸念は認められませんでした。

 

ヤンセンの代表取締役社長のクリス・フウリガンは、「今回の承認は、新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんおよび、治療に携わる医療従事者の方々にとって治療の選択肢が増えます。ダラザレックス®は多発性骨髄腫の治療において、早期の段階で疾患の進行を止めることを目的に他のレジメンとの組み合わせなど、その可能性を引き続き評価してまいります」。と述べています。

 

ALCYONE試験(MMY3007試験)1について

ALCYONE試験には、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、DVMP療法とVMP療法の有効性を比較検討した試験です。

 

ダラザレックス®について

ダラザレックス®は、CD38を標的とするモノクローナル抗体です。ダラザレックス®は、病期にかかわらず多発性骨髄腫細胞の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能します2,3,4。ダラザレックス®がCD38に結合すると、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)及びFcγ 受容体結合を介するアポトーシス誘導など複数の免疫介在性の作用機序によって腫瘍細胞死がもたらされます。また、CD38陽性の免疫抑制性細胞の除去による免疫調節作用も明らかにされており、これらの相乗効果により優れた抗腫瘍効果を示すと考えられています5,6

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます7,8。日本では白血病、悪性リンパ腫とともに代表的な血液悪性腫瘍といわれています。2014年時点の国内における多発性骨髄腫の総患者数は約18,000人と推定されており9、推定罹患者数は増加傾向にあります10

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

 

参考文献

  1. ダラツムマブの多発性骨髄腫に対する臨床成績(社内資料54767414MMY3007試験 承認時評価資料2019年8月22日承認、CTD2.7.6.1)
  2. Fedele G, di Girolamo M, Recine U, et al. CD38 ligation in peripheral blood mononuclear cells of myeloma patients induces release of protumorigenic IL-6 and impaired secretion of IFNgamma cytokines and proliferation. Mediat Inflamm. 2013;2013:564687.
  3. Lin P, Owens R, Tricot G, et al. Flow cytometric immunophenotypic analysis of 306 cases of multiple myeloma. Am J Clin Pathol. 2004;121:482-8.
  4. Santoconito AM, Consoli U, Bagnato S et al. Flow cytometric detection of aneuploid CD38++ plasmacells and CD19+ B-lymphocytes in bone marrow, peripheral blood and PBSC harvest in multiple myeloma patients. Leuk Res.
    2004;28:469-77.
  5. van de Donk NW, et al. Monoclonal antibodies targeting CD38 in hematological malignancies and beyond. Immunol Rev. 2016 Mar;270(1):95-112.
  6. Frerichs KA, et al. CD38-targeting antibodies in multiple myeloma: mechanisms of action and clinical experience. Expert Rev Clin Immunol. 2018 Feb 21.
  7. American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: overview. Available at:
    http://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/overview Last accessed December 2016.
  8. Kumar, SK et al. Leukemia. 2012 Jan; 26(1):149-57.December 2016.
  9. 厚生労働省統計表データベース「平成26年患者調査」
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h26syobyo.pdf
  10. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

 

【本件に関するお問合せ先】

  ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部 

  E-mail: [email protected] TEL:03-4411-5046 FAX: 03-4411-5050