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『アーリーダ®錠60mg』において、遠隔転移を有する前立腺癌の適応追加承認を取得

公開日: 
2020/05/29

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン)は本日、前立腺癌治療剤『アーリーダ®錠60mg』(一般名:アパルタミド錠)について、「遠隔転移を有する前立腺癌」の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。

 

アーリーダ®については、国際共同第III相試験(PCR3002試験、TITAN)において、骨転移を有し、アンドロゲン除去療法(ADT)開始後6ヵ月以内の前立腺癌患者を対象に、ADT併用下でアーリーダ®とプラセボの有効性と安全性・忍容性を評価しました1,2。主要評価項目は、全生存期間(OS)と画像上の無増悪生存期間(rPFS)です。これらの結果は、2019年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で発表され、The New England Journal of Medicineに同時に掲載されています。

 

TITAN試験において、アーリーダ群ではプラセボ群に比べて、死亡のリスクが33%低下することが認められました(HR=0.67、95% CI:0.51~0.89、P=0.0053)1,2。また同様に、画像上の増悪生存期間も52%のリスク低下が認められました(HR=0.48、95% CI:0.39~0.60、P<0.0001)1,2

 

安全性については、重大な副作用として痙攣発作、心臓障害、重度の皮膚障害、間質性肺疾患が報告されています。主な副作用(5%以上)は、食欲減退、皮疹、そう痒症、ほてり、悪心、下痢、疲労となっています1,3

 

ヤンセンの代表取締役社長のクリス・フウリガンは、「アーリーダ®は、日本の前立腺癌治療を変革する可能性を秘めており、転移性前立腺癌治療の重要な選択肢になり得ます。今回の承認は、前立腺癌領域における革新的な治療法を開発し続け、患者さんのための標準治療を改善するというヤンセンのコミットメントを強化するものです」と述べています。また、研究開発本部 本部長の野中 健史は、「遠隔転移を有する前立腺癌患者さんはアーリーダ®による治療でベネフィットを得られるというTITAN試験に基づく我々の主張が当局に認められたことを大変嬉しく思います。」と述べています。

 

前立腺癌は、日本では2019年の罹患数が約7万8,500人であり、男性にとって最も罹患の多い癌のひとつです4。新規に前立腺癌と診断される患者の約10~20%は前立腺全摘除術後も再発リスクのある局所進行性前立腺癌であり5、約5~10%は骨又は内臓等への遠隔転移を有する進行性前立腺癌であると報告されています5,6

 

ヤンセンは今後も、未だ満たされない医療ニーズに応えることで、患者さんのQOL向上に尽力していきます。

 

TITAN試験について1,2

TITAN試験は、骨転移を有し、ADT開始後6か月以内の前立腺癌患者を対象とする第Ⅲ相、ランダム化、二重盲検試験です。1,050名を超える前立腺癌患者がADT併用下でアーリーダ®を投与する群又はプラセボを投与する群のいずれかにランダムに割り付けられました。この試験の主要評価項目はOSとrPFSです。副次評価項目は、化学療法開始までの期間、痛みの増悪までの期間、オピオイドの慢性使用までの期間、骨関連事象までの期間で、その他にADT併用下でアーリーダを投与した際の安全性等も評価しています。この試験についてのさらに詳しい情報はClinicalTrials.govをご覧ください。

 

アーリーダ®について

アーリーダ®は、新規の経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤であり、前立腺癌細胞のアンドロゲンシグナル経路を遮断します。アンドロゲンがアンドロゲン受容体(AR:androgen receptor)に結合するのを阻害する、ARが癌細胞核内に移行するのを止める、ARが癌細胞のDNAに結合するのを阻害する、という3つの方法で癌細胞の増殖を阻害します。日本においては2019年3月、「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」を効能・効果とする製造販売承認を取得しています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です

 

参考文献

  1. 社内資料:アパルタミドの遠隔転移を有する前立腺癌患者に対する臨床成績(PCR3002、承認時評価資料)(2020年5月29日承認、CTD2.7.3.3.2.1)
  2. Chi KN, et al.: N Engl J Med. 2019; 381: 13-24(PMID:31150574)
  3. 社内資料:アパルタミドの遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者に対する臨床成績(ARN-509-003、承認時評価資料)(2019年3月26日承認、CTD2.7.6.12)
  4. 国立がん研究センターがん情報サービス がん登録・統計 [homepage on the Internet]. 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター; [update 2019年10月23日]. 2019年のがん統計予測. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html: accessed on March 7, 2019
  5. Winter A, Sirri E, Jansen L, et al. Comparison of prostate cancer survival in Germany and the USA: can differences be attributed to differences in stage distributions? BJU Int. 2017;119:550-559.
  6. Onozawa M, et al. Recent trends in the initial therapy for newly diagnosed prostate cancer in Japan. Jpn J Clin Oncol. 2014;44(10):969-81

 

【本件に関するお問合せ先】

  ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

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