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イムブルビカ®(イブルチニブ)は慢性リンパ性白血病の一次治療において アカラブルチニブと比べ、次治療までの期間が長いことが実臨床研究で明らかに

公開日: 
2022/12/26

 

※本プレスリリースは、2022年12月10日~13 日に開催された第64回米国血液学会(ASH2022)に向け、12月12日にヤンセン米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

Real-World Study Shows Patients Treated with IMBRUVICA® (ibrutinib) Were Less Likely to Initiate a Next-Line Treatment than Patients on Acalabrutinib in First-line Chronic Lymphocytic Leukemia | Johnson & Johnson (jnj.com)

 

イムブルビカ®群と比べ、アカラブルチニブ群では次治療を開始する割合が89%高いことが
2年以上の電子カルテ記録から明らかに

 

ニューオリンズ(米国時間2022年12月12日) – 米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズ(以下、ヤンセン)は本日、一次治療としてアカラブルチニブ単剤投与を受けた慢性リンパ性白血病の患者さんは、イムブルビカ®(一般名:イブルチニブ)投与の患者さんと比べ、89%高い割合で次の治療を開始したことを示す実臨床研究の結果を発表しました1。これらのデータは、日常診療における一次治療で1日1回の経口剤であるイムブルビカ®単剤を投与することで、すぐに次治療を開始することなく、長期間使用できる可能性を示唆しています1。本研究の結果は、2022年の米国血液学会(ASH)年次総会にて口頭発表されました(抄録番号:797)。

 

試験責任医師で、アトリウム・ヘルス・レバインがん研究所、血液腫瘍科、リンパ腫治療・研究部門の臨床部長のRyan Jacobs医師は、次のように述べています。「現在、慢性リンパ性白血病の一次治療におけるブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤を比較する試験はないことから、最適な治療の選択をサポートするには、実臨床における経験値の活用が重要です。今回の研究結果は、一次治療におけるイブルチニブとアカラブルチニブの投与における患者さんへのインパクトを示しており、次治療を開始するまでの期間の違いを医療従事者に対し示唆する追加データです」

 

本試験では、匿名化された学術電子カルテ(EMR)であるAcentrusを用い、2019年11月21日~2022年4月30日の期間に、イムブルビカ®またはアカラブルチニブによる一次治療を開始した患者さんを特定し、病勢進行の臨床上意義のある代替指標として、次治療までの時間(TTNT)を評価しました1。TTNTは、起点日から次治療の開始または追加治療の開始までの期間と定義しました1。主な結果は、以下の通りです。

 

  • 未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者さんにおける一次治療で、アカラブルチニブ(n=373)を投与した患者さんは、イムブルビカ®(n=710)を投与した患者さんに比べ、次治療を開始する確率が89%高くなりました[調整済みハザード比 (95%信頼区間):1.89 (1.12, 3.13); p=0.016]1
  • また、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤開始後のいずれかの時点で(すなわち180日以上後)抗CD20抗体療法を追加した場合を打ち切った場合でも、同様の結果が認められました1
  • 12カ月時点で次治療を開始していない患者さんの割合は、イムブルビカ®投与群では95.3%であるのに対し、アカラブルチニブ投与群では91.2%でした1
  • 15カ月時点で次治療を開始していない患者さんの割合は、イムブルビカ®投与群で94.6%であるのに対し、アカラブルチニブ投与群は88.3%でした1

 

ヤンセン・バイオテック社のメディカルアフェアーズ本部オンコロジー部門担当バイスプレジデントである Imran Khan医学博士は、次のように述べています。「実臨床が示唆するデータは、特に慢性リンパ性白血病のような慢性疾患の患者さんに対する最適な治療法やそのシークエンスを医師が理解する上で、より重要になっています。イムブルビカ®が初めて承認されて以来、約10年にわたるデータがあり、私たちは実臨床のデータを収集し、慢性リンパ性白血病治療における一次治療の選択肢としてイムブルビカ®をさらに支持する知見を、大規模な患者コホートから得ています」

 

追加試験の詳細

Acentrusのデータベースは、医薬品の処方、調合、投与に関する広範な情報を提供しています。これにより、経口薬の使用状況を把握することができることから、Flatironなど、EMRデータセットの中でもユニークなものです1

 

他のブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤が投与された場合は、病勢進行ではなく、忍容性または非医学的理由による処方変更の可能性があるため、患者さんを打ち切りとしました1。それ以外に打ち切りとした基準は、指標となるブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤治療に加え、起点日から180日以内の2剤目の抗がん剤の投与開始です。これは一次治療の併用療法である可能性があるためです1。180日以降の抗CD20抗体またはベネトクラクスの追加は、次治療としました1。次治療や追加治療を受けていない患者さんは、死亡又はデータ入力終了時に打ち切りとしました1

 

イムブルビカ®およびアカラブルチニブによる治療を受けた患者さんの年齢の中央値はほぼ同じでした[イムブルビカ®群は73歳(n=710)、アカラブルチニブ群は72歳(n=373)]1

 

追加試験の詳細

実臨床データは、臨床試験や日常診療で医薬品がどのように作用するかについての情報を追加で提供することで、対照比較試験データを補完することが期待されます。しかし一方で限界もあり、それらのデータを治療法の有効性や安全性を検証するエビデンスとして単独で使用することはできません。

 

EMRデータには、抜け漏れの可能性などの限界があります1。しかしこれらは無作為に行われるため、結果に与える影響は少ないと考えられます1。新しいブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤の相対的な有効性に関するエビデンスギャップを明らかにするためには、追跡調査やサンプルサイズの拡大による更なる研究が必要です1

イムブルビカ®について ※以下は米国での適応です。

イムブルビカ®は、ヤンセン・バイオテック社とアッヴィ社の傘下にあるファーマサイクリックス社が共同開発・販売する、1日1回経口剤です。イムブルビカ®は、特定のがん細胞を含む正常及び異常なB細胞が増殖および拡散するために必要とするブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)というタンパク質の働きを阻害します。BTKを阻害することにより、イムブルビカ®は異常なB細胞を生存環境から切り離し、その増殖を抑制します2,3,4

 

イムブルビカ®は、世界100カ国以上で承認されており、27万人以上の患者さんに使用されています。18の第III相臨床試験を含む、50以上の企業主導の臨床試験が行われており、11年以上にわたりイムブルビカ®の有効性と安全性を評価しています。

 

イムブルビカ®は、米国で最初に承認されました。2013年11月にFDA(米国食品医薬品局)に承認され、現在では5つの血液がんを含む6つの疾患領域で成人患者さんを対象に適応が認められています。これには、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の成人患者さん(17p欠失(del17p)の有無を問わない)、成人の原発性マクログロブリン血症の患者さん、治療歴を有するマントル細胞リンパ腫(MCL)*の成人患者さん、全身療法を必要とし、少なくとも1回の抗CD20抗体による治療歴を有する辺縁帯リンパ腫(MZL)の成人患者さん、および1ライン以上の全身療法で効果不十分な治療歴を有する慢性移植片対宿主病(cGVHD)の成人及び1歳以上の小児患者さん5が含まれます。

 

*MCLおよびMZLについては、全奏効率に基づく早期承認が得られています。MCLおよびMZLに対する承認の継続は、検証的試験における臨床的有用性の検証および説明を条件とする場合があります。

 

詳しくは、www.IMBRUVICA.comをご覧ください。

†Ryan Jacobs医師は、ヤンセンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っておりません。

‡Acentrusは、128,000人の医師が利用する医療システム・ソリューション。米国15州27の施設(NCI指定10施設、NCCNネットワーク加盟6施設を含む)の入院及び外来患者さんのデータが含まれています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちは循環器疾患、代謝・網膜疾患、免疫疾患、感染症・ワクチン、精神・神経疾患、がん、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

 E-mail: [email protected]

 

参考文献

  1. Jacobs R., et al. Real-World Comparison of Time to Next Treatment for Patients with CLL Initiated on First-line Treatment with Ibrutinib versus Acalabrutinib. 2022 American Society of Hematology Annual Meeting. December 12, 2022.
  2. Genetics Home Reference. Isolated growth hormone deficiency. http://ghr.nlm.nih.gov/condition/isolated-growth-hormone-deficiency.
  3. Turetsky A, et al. Single cell imaging of Bruton's tyrosine kinase using an irreversible inhibitor. Scientific Reports. 2014;6:4782.
  4. de Rooij MF, et al. The clinically active BTK inhibitor PCI-32765 targets B-cell receptor- and chemokine-controlled adhesion and migration in chronic lymphocytic leukemia. Blood. 2012;119(11):2590-2594.
  5. IMBRUVICA® U.S. Prescribing Information, August 2022.