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DARZALEX FASPRO®をベースとする4剤併用療法レジメンが 新たに多発性骨髄腫と診断された移植適応の患者さんの予後を有意に改善

公開日: 
2023/12/25

 

※本プレスリリースは、12月12日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。

 

DARZALEX FASPRO®をベースとする4剤併用療法レジメンが
新たに多発性骨髄腫と診断された移植適応の患者さんの予後を有意に改善

 

DARZALEX FASPRO®をベースとする導入、地固め、維持療法レジメンにより
増悪または死亡のリスクが標準治療レジメンと比較して58%減少

 

第III相PERSEUS試験のデータがASH 2023の最新抄録セッションで初めて発表
同時に『The New England Journal of Medicine』誌にも掲載

 

サンディエゴ(米国時間2023年12月12日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは12月12日、第III相PERSEUS試験の最初のデータを発表しました。本試験では、新たに多発性骨髄腫と診断された移植適応(Transplantation Eligible:TE)の患者さん(Newly Diagnosed Multiple Myeloma: NDMM)において、DARZALEX FASPRO®(ダラツムマブ<遺伝子組換え>・ボルヒアルロニダーゼ アルファ<遺伝子組換え>製剤)をベースとした導入、地固め療法としての4剤併用レジメン及び維持療法としての2剤併用レジメンを用いた治療が有意な臨床的改善を示しました。本試験では、TE NDMMを対象に実施した第III相試験として、良好な無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)が示されるとともに、完全奏効(Complete Response: CR)以上の全奏効割合及び微小残存病変(Minimal Residual Disease: MRD)の陰性率が対照群と比較して臨床的に有意に改善されたことが示されました。このデータは、2023年米国血液学会(ASH)総会のLate Breaking Oral Session(抄録番号LBA-1)で報告されるとともに、『The New England Journal of Medicine』にも掲載されました。
European Myeloma Networkと共同で実施されたPERSEUS試験では、DARZALEX FASPRO®と、ボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾン(D-VRd)との併用導入、地固め療法と、その後のDARZALEX FASPRO®+レナリドミド(D-R)併用維持療法により、増悪または死亡のリスクが、ボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾン(VRd)のみによる治療後にレナリドミド(R)維持療法を行った場合と比較し、58%減少したことが明らかになりました(ハザード比[HR]0.42、95%信頼区間[CI]0.30-0.59、P<0.0001)1。4剤併用療法レジメンはVRd療法と比較し、奏効の深さを有意に増加させ、CR以上の割合、厳格な完全奏効(Stringent Complete Response: sCR)の割合及びMRD陰性率がより高値となりました。

 

エラスムス・ロッテルダム大学の血液学分野の教授であり、Erasmus MC Cancer Institute(オランダ、ロッテルダム)の所長でもあるPieter Sonneveld, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「ダラツムマブをベースとする導入療法、地固め療法、維持療法レジメンによる治療を受けた移植適応の多発性骨髄腫患者さんで達成された無増悪生存期間は、この患者集団を対象とした第III相臨床試験において前例のないものです。しかしながらダラツムマブベースのレジメンは、多発性骨髄腫に対する多くの臨床試験で臨床的有用性を示しており、それらの知見も踏まえた上での本試験の結果は、期待された通りの結果と言えます。病状の進んだ患者さんやハイリスクの患者さんを含む、臨床的に意義のある部分集団全般で得られている結果は、この複雑な疾患だと新たに診断された患者さんの治療にあたる臨床医にとって有望なものです」

 

48ヵ月PFS率の推定値は、D-VRd群で84.3%、VRd群で67.7%でした。PFSの改善におけるD-VRd群とVRd群における差は、国際病期分類(ISS)ステージIIIの患者さん(HR 0.42、95%信頼区間[CI]0.22-0.83)や細胞遺伝学的リスクの高い患者さん(HR 0.59、95%信頼区間[CI]0.36-0.99)をはじめ、臨床的に関連するほとんどの部分集団に一貫して認められました。D-VRd群では奏効の深さもVRd群と比較して高く、sCRの割合(それぞれ69.3%、44.6%、P<0.0001)及びCR以上の割合(それぞれ87.9%、70.1%、P<0.0001)がより高値でした。全体的なMRD陰性率(10–5)はD-VRd群のほうがVRd群よりも高値でした(それぞれ75.2%、47.5%、P <0.0001)。MRD陰性持続率(12ヵ月以上)はD-VRd群で2倍以上の値でした(それぞれ64.8%、29.7%、P<0.0001)。全生存期間(Overall Survival: OS)のデータはまだ十分ではありませんが、D-VRd群がVRd群と比較して良好な傾向にあることが認められました。

 

Johnson & Johnson Innovative MedicineのLate Development and Global Medical AffairsのVice PresidentであるCraig Tendler, M.D.は次のように述べています。「このダラツムマブをベースとする4剤併用導入、地固め療法レジメン及び2剤併用維持療法レジメンが移植適応の多発性骨髄腫患者さんに対する新たな標準治療となり得ることを裏付ける今回のエビデンスは、ダラツムマブをベースとする3剤併用療法を、移植非適応患者さんに対する標準治療として位置付けた第III相MAIA試験のデータを補完するものです。私たちは今後も、多発性骨髄腫の患者さんのアウトカムを改善するという使命を果たすために、ダラツムマブを用いた革新的なレジメンや治療法の開発に取り組んでまいります」

 

D-VRdの全体的な安全性プロファイルは、ダラツムマブ及びVRdの既知の安全性プロファイルと一貫していました。多く(10%より多く)見られたグレード3または4の血液学的・非血液学的有害事象(それぞれD-VRd群対VRd群)は、好中球減少症(それぞれ62.1%、51.0%)、血小板減少症(それぞれ29.1%、17.3%)、下痢(それぞれ10.5%、7.8%)、肺炎(それぞれ10.5%、6.1%)、発熱性好中球減少症(それぞれ9.4%、10.1%)でした。

 

PERSEUS試験について
PERSEUS試験は、スポンサーであるEuropean Myeloma Networkと共同で現在実施されています。本試験は、移植適応のNDMM患者さんを対象に、D-VRdとその後のD-R維持療法の有効性及び安全性を、VRdとその後のR維持療法と比較する、無作為化、非盲検、第III相試験です。主要評価項目はPFS、副次評価項目は、全体的なCR以上の割合、(CR以上の患者さんにおける)全体的なMRD陰性率及びOSです。年齢の中央値は、D-VRd群が61.0(32~70)歳、VRd群が59.0(31~70)歳です。この試験は欧州14ヵ国とオーストラリアで実施されています。

 

多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、骨髄内にある形質細胞と呼ばれる白血球の一種が侵される血液がんです2。多発性骨髄腫では、これらの形質細胞が変化して急速に増殖し、骨髄中の正常細胞を腫瘍に置き換えていきます3。多発性骨髄腫は血液がんの中で3番目に多いがんであり、依然として治癒が難しい疾患です4。2023年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています5。多発性骨髄腫の5年生存率は59.8%です6。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球減少、倦怠感、カルシウム値の上昇、腎障害または感染症などにより受診し診断されることがあります7,8

 

DARZALEX FASPRO®およびDARZALEX®について ※以下は、米国における承認状況です。
DARZALEX FASPRO®(ダラツムマブとヒアルロニダーゼの合剤)は2020年5月に米国FDAの承認を取得し、多発性骨髄腫における8つの適応症に対して承認されています。そのうちの3つが、新たに診断された移植適応または移植非適応の患者さんにおけるフロントライン治療です。本剤は、MMを有する患者さんの治療薬として承認されている唯一のCD38に対する皮下投与用抗体薬です。DARZALEX FASPRO®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒアルロニダーゼPH20(rHuPH20)と共に製剤化されています。

 

DARZALEX®(ダラツムマブ)は2015年11月に米国FDAの承認を取得し、8つの適応症に対して承認されています。そのうちの3つが、新たに診断された移植適応または移植非適応の患者さんにおけるフロントライン治療です。
DARZALEX®は、多発性骨髄腫治療薬として承認された最初のCD38に対する抗体薬です。DARZALEX®をベースとするレジメンは、世界中の422,000人以上の患者さん、米国のみでも68,000人以上の患者さんの治療に用いられてきました。
※なおDARZALEX FASPRO®は、日本国内では「ダラキューロ®配合皮下注」名で販売されています。

 

2012年8月、ヤンセン・バイオテックとGenmab A/Sは、ダラツムマブを開発・製造・販売するための独占的ライセンスをヤンセンに付与する契約を世界規模で締結しました。

 

‡Pieter Sonneveld氏は、ヤンセンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていません。

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。

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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. Sonneveld P et al. Phase 3 randomized study of daratumumab (DARA) + bortezomib, lenalidomide, and dexamethasone (D-VRd) versus VRd alone in patients (Pts) with newly diagnosed multiple myeloma (NDMM) who are eligible for autologous stem cell transplantation (ASCT): primary results of the PERSEUS trial. 2023 ASH Annual Meeting – American Society of Hematology. December 2023.
  2. Rajkumar SV. Multiple myeloma: 2020 update on diagnosis, risk-stratification and management. Am J Hematol. 2020;95(5):548-5672020;95(5):548-567. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32212178
  3. National Cancer Institute. Plasma Cell Neoplasms. Accessed July 9, 2023. Available at: https://www.cancer.gov/types/myeloma/patient/myeloma-treatment-pdq
  4. Multiple myeloma. City of Hope, 2022. Multiple Myeloma: Causes, Symptoms & Treatments. Accessed July 18, 2023. https://www.cancercenter.com/cancer-types/multiple-myeloma
  5. American Cancer Society. Key Statistics About Multiple Myeloma. Accessed July 9, 2023. Available at: https://www.cancer.org/cancer/multiple-myeloma/about/key-statistics.html#:~:text=Multiple%20myeloma%20is%20a%20relatively,men%20and%2015%2C370%20in%20women
  6. SEER Explorer: An interactive website for SEER cancer statistics [Internet]. Surveillance Research Program, National Cancer Institute. Accessed June 30, 2023. https://seer.cancer.gov/explorer/
  7. American Cancer Society. What is Multiple Myeloma? Accessed July 9, 2023. Available at: https://www.cancer.org/cancer/multiple-myeloma/about/what-is-multiple-myeloma.html
  8. American Cancer Society. Multiple Myeloma Early Detection, Diagnosis, and Staging. Accessed July 19, 2023. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/multiple-myeloma/detection-diagnosis-staging/detection.html